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医師・医療関係者のみなさまへ

在宅医療における褥瘡管理研修会

府医ニュース

2026年3月4日 第3137号

褥瘡治療と在宅でのケアに必要なこと

 大阪府医師会は令和7年11月13日午後、「在宅医療における褥瘡管理研修会」を府医会館で開催。ウェブとの併用により実施され、医師や看護師ら在宅医療に関わる多職種約220人が聴講した。

 塚本雅子氏(府医介護・高齢者福祉委員会委員/サギス中クリニック院長)が座長を務め、はじめに前川たかし理事があいさつ。高齢化に伴い、在宅医療において褥瘡ケアの重要性が増しているとし、本研修会が明日からのケアの一助になればと期待を寄せた。
 続いて、綾部忍氏(八尾徳洲会総合病院副院長/あやべ形成外科訪問クリニック院長)が「最新の創傷治療から在宅での褥瘡管理におけるポイントについて」と題して講演。まず、創傷治療について概説し、治癒を遅らせる壊死組織を除去するデブリードマンの必要性を説いた。加えて、自然界の微生物集団であるバイオフィルムによって、創傷を慢性化させていると指摘。創傷を克服するためのウンドハイジーン(創傷衛生)の4つのステップとして、①洗浄②デブリードマン③創縁の新鮮化④創傷の被覆――を実際のケースを用いて解説した。さらに壊死組織に触れ、特徴や壊死組織と健常組織の境界判断における触診の重要性を伝えた。
 次に、正壽佐和子氏(日本褥瘡学会評議員/森之宮病院看護部)が、「在宅における褥瘡ケアの実際と課題について」をテーマに登壇した。近年は、褥瘡は自重による圧迫性の損傷だけでなく、多様な病態に伴う損傷が増加しており、褥瘡部位や損傷状態を正確に「読み解く」ことが褥瘡管理のカギになると強調。褥瘡の発生には、▽個体要因▽共通要因▽環境・ケア要因▽ケアの提供のあり方に関連する要因――が関与していると説明した。在宅での褥瘡管理は、「体圧分散ケア」「スキンケア」「栄養管理」の3つを主にしたトータルケアの実践が不可欠だと述べた。そのほか、褥瘡の重症度や傾向を評価するための日本褥瘡学会のツール「DESIGN―R」の活用を紹介。在宅における課題解決力の向上には、専門家の人材不足を補う取り組みや、多職種参加型による学習・検討の場を通じて、知見を積み重ねることが大切だと締めくくった。」