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医師・医療関係者のみなさまへ

第1回 認知症サポート医フォローアップ研修

府医ニュース

2026年2月18日 第3135号

若年性認知症と重症度評価を解説

 大阪府医師会は令和7年10月25日午後、大阪府・大阪市との共催で、7年度第1回認知症サポート医フォローアップ研修を開催。府医会館とウェブを併用し、約370人が受講した。

 開会に先立ち、前川たかし理事があいさつ。我が国の認知症を巡る状況は、共生社会の実現に向けた施策の推進や新たな治療薬の導入など、ここ数年で大きく変化しているとした。こうした中、早期発見から生活支援までの連携においては、認知症サポート医が中心的な役割を果たすと言及。本研修で最新の知識や知見を習得してほしいと呼びかけた。
 はじめに、辻正純氏(府医介護・高齢者福祉委員会委員)が座長を務め、池田学氏(大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室教授)が「若年性認知症」について講演した。若年性認知症は、18~64歳までに発症する認知症の総称であり、原因疾患は多岐にわたると説明。専門外来の受診や介護サービスの利用が遅れるケースも多く、正確な診断を行うことが重要と述べた。また、原因疾患として多くみられるアルツハイマー型認知症や前頭側頭型認知症の多様な症状を解説。事例を基に、治療・介護や生活支援のポイントを紹介した。加えて、抗アミロイドβ抗体薬による治療は、軽度認知障害(MCI)の段階で導入し、進行を遅らせることが大切と強調。最後に、若年性認知症の課題として、▽家族・職場などの知識の乏しさ▽原因疾患の多様性▽発症年齢による症状や画像所見の違い▽疾患修飾薬による治療の始まり――を挙げ、診療の難しさを訴えた。
 続いて、橋本衛氏(近畿大学医学部精神神経科学教室主任教授)が「認知症重症度評価について――Clinical Dementia Rating(CDR)を中心に」と題して登壇した。認知症重症度の評価は、抗アミロイドβ抗体薬治療の適応判断のほか、高齢者ドライバーの免許更新時や介護保険意見書などに用いられ、重要性が増していると指摘。重症度評価には複数の方法があるが、それぞれ長所と短所があると伝えた。今回は、実臨床で汎用性の高い評価尺度であるCDRを詳説。家族からの聞き取りと本人への問診により、①記憶②見当識③判断力と問題解決④地域社会活動⑤家庭生活および興味・関心⑥介護状況――の6つの領域を評価し、重症度を判定するとした。また、CDRは運転免許の診断書記載にも有用であり、CDR評価の習得により認知症診療スキルのステップアップにもつながると語った。