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医師・医療関係者のみなさまへ

かかりつけ医等発達障がい対応力向上研修

府医ニュース

2026年2月18日 第3135号

早期発見と継続的支援が重要

 大阪府医師会と大阪府の共催による「かかりつけ医等発達障がい対応力向上研修」が令和7年10月30日午後、府医会館で開催された。当日はウェブとの併用により、約110人が参加した。

 はじめに、司会と座長を務める前川たかし理事があいさつ。発達障害の早期発見と長期的な支援の重要性に触れ、本研修会が日常診療の一助になればと期待を寄せた。
 まず、吉岡美紀氏(大阪府福祉部障がい福祉室地域生活支援課参事)が、「府の発達障がい児者支援施策について」と題し講演。発達障害者支援法の概要と近年の相談件数の増加傾向を紹介したほか、ライフステージごとの主な支援制度を説明し、「発達障がい支援センター」が担う相談・就労支援などの機能を解説した。また、▽啓発活動▽世界自閉症啓発デーのブルーライトアップ▽研修会開催▽パンフレット配布――などを示し、支援の輪を地域全体で広げていくことが大切と呼びかけた。

特性に合わせて生きやすさを支える

 続いて、片山泰一氏(大阪大学大学院・連合小児発達学研究科長/分子生物遺伝学研究領域教授/附属子どものこころの分子統御機構研究センター長)が、「発達障がい、その気づきと支援――教育との連携など」をテーマに登壇。神経発達症の多様性を伝え、発達障害は治す対象ではなく、特性に合わせて生きやすさを支えることが目的と強調した。複数の専門医の資料を基に、診療や支援の要点を説示。発達障害の診断が成長の機会につながる意義を述べ、かかりつけ医による継続的な関与と医療・教育・福祉の連携が必要とした。さらに、学童・思春期における不登校や自傷行為の背景を挙げ、ASDやADHDの特性理解と「褒めて育てる」支援法の効果を報告。行動観察と環境調整を重ねながら「25%できたら褒める」ルールを提示した。最後に、学校での合理的配慮について、障害の有無ではなく個々を尊重する学級づくりが不可欠だと訴えた。