
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2026年2月4日 第3134号
大阪府医師会勤務医部会(部会長=澤芳樹・府医副会長)は令和7年10月7日夕刻、7年度第1回(通算第66回)「勤務医部会研修会」を府医会館で開いた。「勤務医に知ってほしい医療政策問題・病院経営」をテーマにウェブと併用で実施し、約110人が受講した。
はじめに、藤本康裕・同部会副部会長があいさつ。昨今の病院経営の厳しい状況や山積する課題について、勤務医が理解を深める機会になればと期待を寄せた。
続いて、杉本圭相・同副部会長(府医理事)が座長を務め、大道道大氏(日本病院会副会長)が「病院経営と医療政策について――日本病院会の取り組みと展望」と題して講演。まず、日本病院会の会員構成および活動状況を紹介した。また、民間病院における電子化の歩みを振り返り、1970年代にレセプト電算機、80年代にオーダリングシステムが普及し、2000年以降は電子カルテが導入されるなど着実に進んできたと説明。その要因は、医療と経営の両面から質の向上に寄与したことが大きいと述べた。
次に、日本の医療制度の変遷と診療報酬改定の推移を提示。1970年代は診療報酬の実質引き上げ幅が10%を超える年もあり、高水準であったと語った。その後、「医療費亡国論」が提唱された83年にマイナス1.2%となってからは低水準が続き、2000年以降は1%未満の状況だと指摘した。
さらに、現在の病院の経営状況に言及。「2024年度病院経営定期調査」によると、24年の医業利益は71.7%が赤字、経常利益は63.9%が赤字で、ともに前年同月より悪化していると窮状を伝えた。こうした状況を踏まえ、25年3月12日に日本医師会・6病院団体合同声明、9月10日に6病院団体緊急要望で地域医療崩壊の危機を訴え、26年度診療報酬改定での措置を要望。大道氏は、物価・賃金上昇によるこれまでの経営悪化分も考慮すると、次期改定率は10%超が必要と主張した。
最後に、病院の情報セキュリティについて解説。セキュリティ対策は、未導入や予算額を100万円未満とする病院が多く、不十分であると強調。今後は、①セキュリティにどこまで投資するか②予算と人材の捻出③医療DXの行方――などの課題解決に向けて検討が必要と結んだ。