
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
府医ニュース
2026年1月28日 第3133号
令和7年4月に「かかりつけ医機能報告制度」が施行された。本報告制度は、医療機関からの報告に基づき、地域に根差して活動している医師の実績などを可視化することで、国民・患者が自身のニーズに応じて適切な医療機関を自ら選択できるよう支援を行うとともに、地域に必要なかかりつけ医機能の確保に向けて関係者間で話し合い、各地域の医療需要を満たす取り組みにつなげることを目的としている。8年1月より本報告制度における初回報告が開始されることから、大阪府医師会は7年12月8日午後、「かかりつけ医機能報告制度に関する説明会」を府医会館とウェブのハイブリッド形式で開催。会員医師をはじめ医療従事者約700人が参加した。
加納康至会長は開会のあいさつで、2040年に向けて、複数の慢性疾患を抱える高齢者や認知症高齢者が増加し、医療・介護の複合的なニーズへの対応などが拡大していく中で、〝治す医療〟から〝治し支える医療〟への転換が求められると指摘。本報告制度では、各医療機関が機能や専門性に応じて連携し、地域全体で面として医療を提供する体制の確保を目指すものと述べた。決して「かかりつけ医」を認定や登録する制度ではなく、患者のフリーアクセスを阻害するものでもないと強調し、本制度への理解を求めた。
次いで、栗山隆信理事が本報告制度の目的や概要、報告すべき項目、報告手順などを説明した。まず、本報告制度施行までの背景に言及。国が考える医療費抑制や統制・管理を目的とした「かかりつけ医の制度化」に対し、日本医師会は患者の医師を選ぶ自由を尊重するためにも制度化すべきではなく、既存の医療機関における「かかりつけ医機能」を充実させることが重要だと主張し、本報告制度の枠組みが作られたと説示した。標榜科目にかかわらずほぼすべての医療機関で報告が義務であるとし、「1号機能」「2号機能」の報告において、各医療機関が実施すべき事項を解説した(下記参照)。なお、報告された機能は都道府県の確認の後、医療情報ネット「ナビイ」で国民・患者に情報提供され、地域の協議の場での検討にも活用される。
「1号機能」の報告では、「かかりつけ医機能に関する研修の修了者の有無」が問われる。栗山理事はこれに関連し、本報告制度に向けて日医が新設した「かかりつけ医機能報告制度にかかる研修」を説明。当研修は、MAMIS(医師会会員情報システム)で修了を申請し、地域の医師会の承認を受けて日医から修了証が発行されることから、活用を促した。なお、当研修では日医生涯教育制度で取得した単位などが対象となる「座学研修」と、日常的な地域医療活動や医師会活動などが該当する「実地研修」で、それぞれ1単位以上、合計10単位以上の取得を目指す。
これを踏まえ、さらに医療機関等情報支援システム(G-MIS)の操作画面を用い、報告手順を説明。紙による報告も可能だが、G-MISによる報告を推奨した。
最後に、本報告制度において、かかりつけ医機能を持つ医療機関が少なければ、5年後に予定されている本制度の見直し時に、かかりつけ医の登録制や人頭払いなど規制的な制度への議論につながる可能性があると危惧を表明。地域が連携して府民の健康を面で支えるかかりつけ医機能の構築に向け、本報告制度の趣旨を十分に理解し、しっかりと報告してほしいと結んだ。
※大阪府では報告期限は2月5日。1月中旬に府内の対象医療機関に案内ハガキが郵送されているため確認されたい。
①かかりつけ医機能報告
[1号機能]
▽「具体的な機能」の有無および「報告事項」の院内掲示による公表
▽かかりつけ医機能に関する研修の修了者の有無
▽総合診療専門医の有無
▽一次診療の対応できる領域
▽医療に関する患者からの相談に応じることができること(継続的な医療を要する者への継続的な相談対応を含む)
※入力内容に応じて1号機能の有無が自動で判定される。「無し」と判定された場合は2号機能の入力は不要。
[2号機能]
▽通常の診療時間外の診療
▽入退院時の支援
▽在宅医療の提供
▽介護サービス等と連携した医療提供
[その他の報告事項]
▽健診、予防接種、地域活動、教育活動など
②院内掲示
1号機能を有する医療機関の要件として、報告した内容を院内に掲示する必要がある。院内掲示用の帳票はG-MISより出力可能。
③患者説明(2号機能を有する場合)
継続して医療を提供することが見込まれる場合で、患者・家族からの求めに応じ、治療計画等について説明するよう努める。