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医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2026年1月21日 第3132号
大阪府医師会は令和7年9月26日午後、大阪市中央公会堂で「自賠責研修会」を実施し、約150人が参加。本研修会は、自賠責保険運用益拠出事業の一環として2年に1度開催している。
永濵要理事が座長を務め、宮川松剛副会長があいさつ(永濵理事代読)。交通事故による治療は自由診療の場合が多く、保険診療に比べてトラブルが発生しやすいと指摘。本研修会で自賠責保険への理解をさらに深めてもらい、日常診療の一助になればと期待を寄せた。
はじめに、中島伸氏(国立病院機構大阪医療センター脳神経外科/総合診療科)が、「頭部外傷後の高次脳機能障害」と題して講演した。まず、高次脳機能障害の原因となる脳の損傷や症状などを概説。症例を基に、患者・家族への対応法などを伝えた。また、入院中に、▽嗅覚▽聴力▽認知症▽頭部MRI――検査もあわせて実施するよう注意を促した。頭部外傷後高次脳機能障害の認定要件として、①事故直後の意識障害または健忘②記憶障害や認知障害があること③画像検査による裏付け――の3つを紹介。画像診断に用いる機器の限界により異常が検出できない場合の選択肢の一つとして、脳生検を推奨した。そのほか、小児の高次脳機能障害や、易怒性などの副作用を誘発する薬剤などにも触れた。
次いで、梅井博光氏(損害保険料率算出機構大阪第一自賠責損害調査事務所長)が、「自賠責保険制度と治療費の請求について」をテーマに登壇した。自賠責保険の、▽仕組み▽特色▽請求――を解説。自賠責保険の対象外となる事例紹介に加え、医療機関からの医療費の請求方法を説述した。さらに、自賠責保険診療報酬基準案の策定の経緯について説明した。
最後に、中薗大介氏(日本損害保険協会近畿支部近畿自動車損害サービス部会第2チーム筆頭代表幹事)が閉会のあいさつを述べた。中薗氏は、近年の交通事故発生件数は減少傾向にあるが、交通事故でけがを負っている人は多いと憂慮。事故被害者への金銭的な課題解決とともに、治療にあたる医療機関が適切に医療費を請求できるよう貢献していきたいと結んだ。