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時事
府医ニュース
2026年1月21日 第3132号
令和7年10月29日、厚生労働省は「第2回在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」を開催し、第8次医療計画後期に向けた在宅医療体制の強化について協議された。在宅医療に必要な連携を担う拠点と在宅医療において積極的役割を担う医療機関の現状と課題が中心的なテーマとなり、多職種協働をいかに地域で実装するかが課題として浮き彫りになった。
全国で1970カ所が在宅医療に必要な連携を担う拠点として位置付けられ、運営主体は市区町村(753カ所)や郡市区医師会 (303カ所)が多数を占める。会議の実施や報告等で拠点の取り組みを把握している都道府県が一定数ある一方で、把握していないとする都道府県が15あり地域差が見られた。圏域で進んだ取り組みについて17の都道府県が多職種協働による在宅医療の提供体制と回答したが、進んだ取り組みは無いとする都道府県も16あり、拠点の機能発揮に課題が残された。退院支援や夜間・休日対応のルールづくり、医療・介護資源の把握と共有などの取り組みが進む一方、小児や医療的ケア児への対応は市町村単位では完結できず、広域的な検討体制の必要性が指摘された。秋田県や三重県の事例では、地域医療介護総合確保基金を活用した拠点整備事業や医療的ケア児の実数および生活実態調査、在宅生活支援に関する連携体制整備等が紹介され、ICTを活用した多職種連携や、ACP普及など広域での連携強化の重要性が示された。
積極的役割を担う医療機関は全国で1万1309カ所が位置付けられ、8350カ所(73.8%)は在宅療養支援病院、診療所等である一方、2959カ所(26.2%)が薬局、訪問看護ステーション等であった。厚労省は「他の医療機関を支援する病院・診療所を積極的医療機関として位置付けることが重要」としているが、24時間体制の在宅医療を成立させるには、訪問看護ステーションや薬局の役割が重要となる。また、医療機関側のインセンティブが不明確であることが参入の障壁となり得るとの意見も出された。
介護との連携について複合的ニーズを持つ高齢者の増加と担い手不足を背景に、医療資源と介護資源を効率的に集約する必要性がある。介護施設と看護師、薬剤師との情報共有の事例を紹介、看取りに関しては介護医療院や老健施設のデータも含めた検討が求められ、医療と介護の役割分担を再整理する方向性が示された。最後に平成14年以来改訂されていない医療ソーシャルワーカー業務指針の見直しが議題となり、在宅医療の円滑な提供に不可欠なMSWの役割を再定義するため、プロジェクトチームを設置するとされた。
地域ごとの実情を踏まえつつ拠点と積極的医療機関の役割を明確化し、訪問看護ステーションや薬局を含む多様な担い手を適切に評価し、柔軟な体制構築を進めることが今後の課題となる。(昌)