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医師・医療関係者のみなさまへ

令和7年度 第3回 周産期医療研修会

府医ニュース

2026年1月21日 第3132号

新生児搬送の現状と今後

 大阪府医師会は令和7年10月4日午後、「7年度第3回周産期医療研修会」を府医会館で開催。ウェブを併用したハイブリッド形式で実施し、医師や看護師など約170人が参加した。

 開会あいさつで笠原幹司理事は、周産期緊急医療体制の充実に向けた本研修会は年4回開催しており、今回は「新生児搬送の現状と今後」をテーマに実施すると述べた。その上で、本講演が日常診療の一助になるよう期待を寄せた。
 引き続き、津戸寿幸氏(府医周産期医療委員会委員)と和田和子氏(同委員会委員)が座長を務め、隅清彰氏(愛染橋病院総合周産期母子医療センター長)が、「NMCSのデータより読み解く新生児搬送の現状と課題」と題して講演を行った。隅氏は、新生児診療相互援助システム(NMCS)の参加施設は27医療機関あるが、新生児搬送においては、高槻病院、関西医科大学附属病院、大阪母子医療センター、大阪市立総合医療センター、淀川キリスト教病院、北野病院、愛染橋病院の7施設に集約化されていると述べ、7施設へのアンケート結果を説示。大阪において、周産期死亡率、新生児死亡率ともに低下している一方、少子化が進んでいるにもかかわらず、新生児搬送は増加していると指摘したほか、ドクターカーが他科との共用であることや、休日に専属運転手が不在であることなどの課題があるとまとめた。
 次に、「周産期搬送とtelemedicineへの発展」について、前野泰樹氏(聖マリア病院第4診療部〈母子系〉副院長)が登壇。自院がある福岡県筑後医療圏における新生児搬送の現状を伝えた。また前野氏は、新生児医療とtelemedicineは非常に相性が良いと前置き。スマートフォンが普及したことで、ビデオ通話によって搬送前の新生児の様子を確認でき、重症度の予測感度が上昇したと語った。さらに、遠隔医療システムの導入によって、他院へのサポートが容易になったと述べ、新生児仮死など一刻を争う場合などには大変有用だと結んだ。