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医師・医療関係者のみなさまへ

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時の話題
府医ニュース
2025年12月31日 第3130号
11月27日、厚生労働省の社会保障審議会・医療保険部会は、OTC類似薬の自己負担の見直しに向けた検討を行い、保険適用の除外ではなく、保険適用を維持しつつ患者に新たな自己負担を求めることで、容認された。OTC(Over The Counter)医薬品とは、薬局やコンビニなどでカウンター越しに、医師の処方箋を必要とせず、実費で購入できる医薬品である。日本維新の会が、28品目のリストを挙げた。
例えば、処方箋薬(=OTC類似薬)のエピナスチン塩酸塩(3割自己負担:1錠4.8円)という抗アレルギー剤と同じ成分のOTC医薬品アレジオン20(1錠:253.0円)は処方箋不要で、薬局・薬店、コンビニ、ネットで販売されているが、患者さんの実費負担は約52倍になる。
よく似たものにスイッチOTC医薬品がある。元々、医療用医薬品として医師の処方箋薬であったものが、有効性と安全性が確認され、医師の処方箋不要で一般の薬局で販売されることになったものである。例えば、医療用医薬品のタケプロンOD錠15(3割負担:6.1円)のスイッチOTC医薬品でアリナミン製薬のタケプロンS(1錠:179.1円)は約29倍の実費である。ほかにも、ナゾネックス点鼻薬、モービック錠10㎎、ミグリステン錠20㎎、パリエット錠10㎎、ロゼレム錠8㎎、メジコン配合シロップなどのスイッチOTC医薬品があるが、保険診療の3割負担で購入した場合より何倍も高額になる。
「骨太の方針2025」の中で、「OTC類似薬の自己負担の見直し」と記載され、「保険外し」とは記載されていない。OTC類似薬部分の費用を保険適用外として、「保険外併用療養」の拡大案も検討されたが、子どもや慢性疾患患者への配慮が必要として、最も自己負担の少ない案「保険適用のまま、OTC類似薬部分の追加自己負担を求める」が容認された。これまで、保険適用除外を強く求めていた中村さやか委員(上智大学経済学部教授)も、「保険適用とした上で、患者負担を変更する」案を容認。子どもや慢性疾患患者らへの負担軽減措置も検討される。「OTC類似薬の保険外し」問題は、①医師の管理下から離れ、疾患を自己判断する医療安全上の問題②患者さんの経済的な負担増加③へき地などOTC医薬品にアクセスが困難な地域――などの多くの問題があり、見送られた。
今のところは、OTC類似薬のみで、すべての医薬品を対象としていないが、財政制度等審議会は、「OTC類似薬等」と表現しており、今後は対象薬剤の拡大の余地を残している。