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医師・医療関係者のみなさまへ

第49回府医医学会総会

府医ニュース

2025年12月31日 第3130号

日頃の臨床研究の成果など発表

 令和7年度(第49回)大阪府医師会医学会総会が11月9日、府医会館で開かれた。総会では、一般演題(パネル展示)発表のほか、医学会評議員会、特別講演を実施。総会終了後には、第57回医療近代化シンポジウムが催され、「高齢者診療の進歩」をメインテーマに3題の講演が行われた。

 一般演題(パネル展示)は各分野で6ブロックに分かれ、計28題の発表がなされた。府医会員より自院での症例に関する治療経過・考察のほか、郡市区等医師会や単科医会における取り組み、府医調査委員会での調査結果など、様々な研究成果を報告。いずれも興味深い話題が並び、熱心な討議が展開された。当日は加納康至会長も会場を訪れ、その様子を見守った。

医学会評議員会
大阪医学 府医会長賞を表彰

 評議員会は、前川たかし理事の司会で開会し、冒頭、加納会長があいさつ。新専門医制度や医学部定員に関して、医師の地域・診療科偏在の是正を目的とした制度運用を問題視し、専攻医の研修環境や教育資源の充実を最優先に考える必要があると訴えた。さらに、生涯教育の重要性にも言及。今後も研修会の充実を図り、医学の発展と地域医療の向上に努めていくと強調した。
 次いで、医学会雑誌「大阪医学」府医会長賞として、同誌掲載論文の中から最優秀論文を表彰。中前亜季子氏(りんくう総合医療センター産婦人科)ら8人による論文「SARS-CoV-2スクリーニング偽陰性妊婦が周産期アウトカムに与えうる影響の検証」が選ばれ、加納会長より表彰状が手交された。
 続いて、7年度学術研修活動を報告。荻原俊男氏(府医医学会副会長)が学術活動全般、福田正博氏(府医生涯教育推進委員会委員長)が生涯教育関係について説明した。最後に、「第32回日本医学会総会2027」の概要を会頭を務める澤芳樹副会長が紹介。学術講演会をはじめ市民展示などにおいて大阪らしく楽める企画も準備していると述べ、協力を呼びかけた。

府医医学教育功労者
河田氏が特別講演

 特別講演では、澤副会長が座長を務め、今年度の府医医学教育功労者として表彰された河田則文氏(大阪公立大学名誉教授/同大学大学院医学研究科特任教授)が「肝疾患診療の変革――40年の進化と未来への展望」と題して登壇した。河田氏は肝疾患治療の変遷を振り返り、B型・C型肝炎ウイルスの治療は画期的な抗ウイルス薬の登場で著しく進歩したと詳説。一方で、大阪は肝がんによる死亡者が多いと指摘し、定期的なフォローや早期治療で進行を抑制することの重要性を唱えた。現在も新しい治療薬の開発が進んでおり、肝疾患治療はさらなる変革期を迎えていると言明。今後は府民への啓発活動にも力を入れたいと語った。

第57回医療近代化シンポジウム

 今回は「高齢者診療の進歩」を取り上げ、①「老年医学――最近の話題」(山本浩一・大阪大学大学院医学系研究科老年・総合内科学教授)②「高齢者の誤嚥性肺炎治療と栄養ケア」(前田圭介・愛知医科大学栄養治療支援センター特任教授)③「高齢者総合機能評価・5Msに基づく高齢者診療」(坂井智達・九州大学大学院医学研究院地域医療教育ユニット助教)――の3題の講演を実施。高齢者一人ひとりの多様性を重視する最新の医療アプローチなどが解説された。

医学会総会

 会員の学術研究、地域医療展開の成果を発表する場として、また最新の医学・医療研修を目的に年1回開催している。