
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2025年12月3日 第3128号
先日、消防隊の方から『救急隊員と人生会議の関連性について』というお話を聞く機会がありました。
救急業務について教えていただき、119番通報から出動、救命処置を行いながら病院に搬送するということで、市民の命を守っていただいていることに改めて感謝申し上げる次第です。
しかし昨今の高齢化、超高齢者の増加に伴い、人生の最終段階の医療介護について考える時、必ずしも救命処置を希望していない場合が問題となってきつつあることを考えさせられました。末期がんで余命いくばくもない場合や重度の要介護者が施設入所後の最期を迎える時、ご本人が延命を希望しない場合もあります。その時、安らかに死を迎えることが人間としての尊厳ではないかとつくづく思います。もし、自分がそのような立場になったら命を引き延ばすだけの延命は希望しないと思っていますが、発見した家族や介護に携わっている方が救急要請することはごく自然なことで不適切と言えるものではありません。ただ、人生会議において本人の意思がはっきりとしていて、延命処置が不要であることを「かかりつけ医等」に伝えておけば、その意思が尊重されると言います。
多くの高齢者は植物状態になることやチューブ類でただ命を長らえることを望んでいるわけではありません。何とか自分にも安らかで不安のない自分らしい最期を望んでいることが伝わってきました。そのためにもエンディングノートなどに自分の意思をしっかり記載しておくことの重要性を感じました。
最期まで地域のかかりつけ医にお世話になり、自分の思いを遂げたいものです。