
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2025年12月3日 第3128号
大阪府医師会は10月2日午後、「令和7年度第1回小児救急医療研修会」を府医会館で開催。医療従事者ら約90人が聴講した。
池田和茂氏(府医救急・災害医療部委員)が座長を務め、はじめに笠原幹司理事があいさつ。本研修会を通じて、大阪における救急医療の提供体制がさらに充実することに期待を寄せた。引き続き、村上城子氏(大阪小児科医会長)があいさつで、本研修会が小児科医以外の医師による休日・急病診療の小児科対応の一助になればと力を込めた。
続いて、岡村隆行氏(堺市立総合医療センター小児科部長/小児疾患センター長)が、「小児救急のoverviewと急病診療所の役割」と題して講演した。まず、小児救急医療の基本を概説。軽症疾患に紛れた緊急度・重症度の判断や、発育・発達を考慮した対応などの必要性を説いた。子どもは主訴が不明瞭なことも多いが、体調は顔や動きに出るとアドバイス。また、医学的な側面だけではなく「社会的」にも様々な問題があり、ネグレクトの兆候に気を付けながら、早期介入も重要になると述べた。小児のトリアージでは、初期評価法「ぱっと見」を紹介。あわせて一次評価にも触れ、「痛み・刺激に反応がない時は急を要する」と注意を促した。
次に、急病センターの機能を解説。救命処置を要する救急患者が対象だが、あくまでも応急処置をする場所であり、「翌日にはかかりつけ医に必ず診てもらうことが大切だ」との見解を示した。
最後に、小児救急医療では大半の子どもが軽症だが、1万人に1人は高度な救命救急を要すると指摘。岡村氏は、小児救急に取り組む際の心がけとして、「子どもがその後を安全に暮らせるように」と語り、手遅れになる前に対処することを推奨し結んだ。