
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2025年11月19日 第3126号
最近、医師が希望する診療科の傾向として、特定の科に人気が集中しているとの報道がありました。外科系や放射線科は志望者が少ないとのこと。リスクやワークライフバランスを重視する傾向や医師の働き方、価値観の変化を反映しているものと考えられます。診療放射線技師として、放射線科医のなり手が少ないことは、危惧するところです。
大阪府医ニュースでも「命を救うという責任と奉仕の精神で働く外科医のモチベーションを高める待遇改善が不可欠である」との指摘があり、共感しました。外科医をはじめとする高いリスクと負担を背負う診療科に対し、国が持続的かつ実効性のある処遇改善策を講じなければ、将来的に医療提供体制の崩壊につながりかねません。
また、医療DXやAI、ロボット技術の活用、さらには外国人医療人材の受け入れなども重要ですが、最終的には「人」への投資こそが基盤であると感じます。「賃金を上げずDXでしのぐ」という論理が働き、待遇改善は先送りされている、まさにその通りだと思います。限定的な加算措置だけでなく、診療報酬全体を見直し、医師や医療従事者が誇りとやりがいを持って働ける環境を整えることが、ひいては技術革新を支える土台となると考えます。
最近の報道や記事を通じて、医療の未来を守るためには、「人材確保」と「技術革新」の両輪をバランスよく推進することが重要であると改めて認識いたしました。