
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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将棋部だより
府医ニュース
2025年10月15日 第3123号
9月21日に今年5回目の例会を大阪市中央区谷町の大阪府社会福祉会館で開催した。前夜の雨のおかげで少し涼しかった。
「役人の子はにぎにぎを先づ覚え」という川柳は、蔦屋重三郎や田沼意次が活躍した、賄賂が横行した時代に詠まれた。ユーモアは高い知性を必要とする。当時の庶民は享楽に耽りながらも、悪への怒りを笑いに変えることができた。我々は将棋を楽しみながら、知性を磨きたい。
マキアヴェリの「君主論」に「人間いかに生きるべきかばかりを論じて、現実の人間の生きざまを直視しない者は、破滅に向かうしかない」とある。我々は現実的な判断を理念よりも優先させる。それを将棋から学んだ。そしてユーモアでも上達するのである。
参加者は10人だった。各人が得意とする個性的な将棋を指したが、東森五段(平野区)は攻守にバランスの取れた堅実な指し方をした。妙手を発見しようとせず、平凡な手を積み重ねて今年2度目の全勝優勝を果たした。最近3回の例会で、実に11勝1敗で、勝負の要諦を悟ったかのように好調である。2位は3勝1敗の松村六段(池田病院/東大阪市)で、3位には5人の2勝2敗者の中から規定により青谷三段(高槻市)がなった。
ほかの参加者は手島七段(和泉市)、濱田五段(東住吉区)、伊藤五段(野崎徳州会病院/大東市)、柿原三段(堺市)、準会員五段、準会員四段、準会員二段だった。
「世界には、君以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。その道はどこに行き着くのか、と問うてはならない。ひたすら進め」とニーチェは言った。現実を直視しながら生きるには勇気が必要である。将棋は我々に勇気を与えてくれた。
入部をお望みの方は、いずみがおかメンタルクリニックの手島(電話0725-56-2727)までご連絡ください。
報告 手島 愛雄(和泉市)