
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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本日休診
府医ニュース
2025年10月15日 第3123号
2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」の半年間、あっという間に過ぎた気がする。家族や知人だけでなく、様々な場面で話題に上った。外来診療でも、「30回以上行った」とか、「パビリオン完全制覇した」など、嬉々として報告してくださる方も多く、通常の診察時にはない姿を知ることができた。
その万博が一因ともいわれているのが、通年よりも早いインフルエンザの流行だ。大阪だけでなく、全国的な傾向ではあるが、まずは、記録的な猛暑だったこと。エアコンの長時間使用で、気温低下と乾燥状態となる。そして、人の移動。日本人が海外へ出かけ、同時に海外からも多数の旅行客が訪れる。その往来によってインフルエンザウイルスが国内に持ち込まれる。小中学校、子ども園でも、学級閉鎖が報告され始めている。
10月15日は「世界手洗いの日」。2008年の国際衛生年に、ユニセフ(国連児童基金)をはじめとする水と衛生問題に取り組む国際機関、大学、企業などが参加して制定され、石鹸を使った正しい手洗いを広め、子ども達が自ら感染症を予防できる習慣を身に付けることを目指している。10月は、世界の学校での長期休暇が少ないため、子ども達への手洗い指導がしやすい時期であるとしてこの日に定められた。
遠蜩(とおひぐらし)
何もせざりし
手を洗ふ
友岡子郷
何もしていないのに手を洗うという日常の無意識的な動作を、ひぐらしの鳴く声が遠くに聞こえる情景に重ね合わせ、自己の存在や行動の無意味さを詠んだといわれているのだが、今回は、当たり前に手洗いやうがいをして、無意識のうちに感染予防の秋をしていきたい。(颯)