
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2025年10月1日 第3122号
◆最近の能登半島地震をはじめ、強い地震では広い被災や交通・通信網の障害のため、被害概要の把握に半日から数日も費やしている。人工衛星を駆使しての被災把握システムの開発が進められている。
◆先年の熊本地震で20万棟に及ぶ被害家屋を丹念に調査しての大規模データ。被災前後の衛星写真。両者をひも付けし解析精度を得る。発災から数時間で1棟単位の被災状況を推定し、救援・救護の質・量の適格な判断と迅速な提供を目指す。
◆ただし、2階建住宅で1階だけが壊れた場合、真上からの衛星写真では健全となる。その他にも解決が難しい課題もあろう。AI判定はあくまでも概要とすべきである。1棟1棟の状況を正確に把握する専門員の観察・調査が適切な支援と防災の向上につながる。
◆病状の評価と診断に、AIの活用が期待されている。しかし、AIはあくまでも確率を根拠とするアルゴリズムでしかない。個々の状況の丹念な観察と把握での確率から離れた病態の把握は医師に頼る。診断治療も防災も優れた人で。(翔)