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医師・医療関係者のみなさまへ

第1回 新生児の蘇生講習会(Sコース)

府医ニュース

2025年10月1日 第3122号

蘇生技術のさらなる向上を目指して

 大阪府医師会は8月23日午後、令和7年度第1回新生児の蘇生講習会(Sコース)を府医会館で開催した。今回は新生児蘇生法の基礎修了者を対象としたスキルアップコースで、蘇生技術の質の維持・向上のための講義と実習を実施。医師・看護師・助産師など約30人が受講した。
 冒頭、笠原幹司理事よりあいさつ(代読)。本講習会は基礎講習をあわせて年4回行っており、大阪における新生児仮死による死亡例減少および不測の事態に適切に対応できる人材育成を目指していると語った。
 続いて、大橋敦氏(関西医科大学看護学部教授)が、「新生児蘇生法アルゴリズム2020」に沿って蘇生の流れを解説。出生直後のチェックポイントとして、①早産児②弱い呼吸・啼泣③筋緊張低下――を挙げ、いずれかを認める場合は蘇生の初期処置に移るよう強調した。▽保温・皮膚乾燥▽体位保持▽気道開通▽刺激――の後、呼吸と心拍の状態から人工呼吸の適応を判断し、必要な場合はできるだけ速やかに開始することが重要と説明。「人工呼吸が確実にできれば、新生児仮死の90%は救命できる」と訴え、人工呼吸・胸骨圧迫の手技や処置後の評価を確認した。
 その後、受講者は5グループに分かれ、蘇生訓練用の人形を用いた実習を開始。インストラクターの指導の下、一連の流れを振り返り、蘇生技術の習得に励んだ。なお、講習終了後には、受講者に修了証が授与された。