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医師・医療関係者のみなさまへ

第6回 布施医師会ICT研修会

府医ニュース

2025年10月1日 第3122号

つながるICT・ひろがる地域ケア

 布施医師会(平松久典会長)は7月26日夕刻、「第6回布施医師会ICT研修会」を東大阪市内で開催。医師やケアマネジャー、介護士ら84人が聴講した。

 はじめに、山本千加子・同医師会副会長があいさつ。本研修会は、同医師会に導入した多職種連携のためのクラウド型多職種連携サービス「ひかりワンチーム」の周知が目的だと説明。会員の利便性が高まるよう期待を込めた。
 続いて、川邉正和・同医師会理事(ICT担当)が座長を務め、小野豊氏(市立東大阪医療センター副院長/泌尿器科部長)が、「夜間頻尿について」をテーマに講演した。2回以上の夜間頻尿は、睡眠不足や日中の眠気・倦怠感を引き起こし、QOLの低下につながると指摘。また、トイレに行く途中で転倒し骨折する危険性も高くなり、寿命に影響を及ぼすこともあると注意を促した。夜間頻尿の原因として、▽多尿▽膀胱蓄尿障害▽睡眠障害――の3つを挙げた。小野氏は、生活習慣の見直しが有効だと語り、薬で良くなると思い過ぎないよう呼びかけた。
 次いで、杉村佳南氏(ティーエスアルフレッサ株式会社地域アクセス・コンサルティング部)が、「在宅患者さんを笑顔に――溶けない!? 栄養応援アイス」と題して登壇。既存の栄養補助食品(ゼリー・ドリンク類)は甘さが原因で敬遠する人が多く、冷たさで甘さを感じにくい「アイス」での開発を進めたと説示した。さらに、アイスにすることで溶けにくく離水しないため、病院食でも提供しやすいと強調。そのほか、▽免疫強化▽シミ・シワの形成抑制▽低出生体重児の予防▽うつ病予防――など、高齢者に限らず若い人にも効果が期待できると加えた。
 最後に、川口俊・同医師会副会長、安田慶明・同医師会理事、川邉・同医師会理事が、「ひかりワンチームの多様な活用法」をテーマに登壇した。川口氏は、ケアプランに関わる多くの職種が皆で情報を共有できるようにICTが利用されていると解説。安田氏は、症例を元にケアマネジャー、訪問看護ステーション、薬局らが「ひかりワンチーム」での連携により能力をさらに発揮できるようになったと報告した。川邉氏は、ICTを活用することで現場の連携が変化したと言及。情報共有だけでなく、患者の課題も解決するツールとの見解を示した。
 川口氏は閉会のあいさつで、地域全体で患者を支えるためにも、ツールの利用は時代に適した形と結んだ。