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府医ニュース
2025年9月24日 第3121号
大阪府医師会勤務医部会(部会長=澤芳樹・府医副会長)主催による「勤務医・研修医・医学生交流会」が8月2日午後、大阪市内のホテルで開催された。当日は約30人の若手医師および医学生が参加し、府医役員や同部会役員らと交流を図るとともに、医師会活動への理解を深めた。
杉本圭相・同部会副部会長(府医理事)の司会により開会し、はじめに加納康至会長があいさつ(阪本栄副会長代読)。本交流会は若手勤務医の声を医療政策に反映させ、より実効性のある提言を行うとともに、若手勤務医の今後のキャリア形成の後押しができればとの思いで開催していると明かし、率直な意見を聞かせてほしいと呼びかけた。
講演では、細井雅之・同部会常任委員(府医理事)と山﨑大輔・U40 OSAKA勤務医部会委員が座長を務め、まず杉本副部会長が「医師会とは?」をテーマに登壇。医師会の概要や地域に根差した活動を紹介した。また、医師会活動を通じた人との出会いと視野が広がったことが自身の医師会入会のメリットであったと語り、医師会活動への参画を訴えた。
引き続き、医師で兵庫県姫路市の市長である清元秀泰氏が「命(めい)は吾(われ)より作(な)す。人生は七転び八起、セレンディピティな展開で医者から市長になった話」と題して講演した。清元氏は、東北大学病院に勤務していた際に東日本大震災を経験。被災地住民の健康づくりに向けて医療情報から未来の医療を創造する「東北メディカル・メガバンク事業」について詳述し、電子カルテを患者と医療機関・福祉施設で共有することで災害時の防災対策となり、平時では安全で無駄のない医療の実現につながると強調した。さらに、被災地で医療活動を行う中で、政治の影響力の大きさを感じたと言及。前市長から声をかけられたことから、生まれ故郷である姫路市の市長選に臨む決心をしたと振り返り、住むだけで元気になる健康な街づくりを目指していると締めくくった。
その後、参加者は10卓のテーブルに分かれ、ワールドカフェ形式で意見交換。カフェマスターは清水智之・同部会常任委員(府医理事)が務めた。各テーブルでは、▽医師のキャリアプラン▽大学院への進学▽専門診療科の選び方▽医療政策――など多岐にわたるテーマで意見が交わされた。
第2部では立食交流会を実施。細井・同部会常任理事による乾杯の発声で歓談に移り、参加者にとって世代を超えた懇親の場となった。
※ワールドカフェ:カフェのようなリラックスした雰囲気で少人数の対話を重ねる手法。一定時間ごとにテーブルを移動し、意見交換を行う。発言が促進され、多様な視点を得ることができる。