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医師・医療関係者のみなさまへ

8月度郡市区等医師会長協議会

府医ニュース

2025年9月17日 第3120号

 8月度郡市区等医師会長協議会(令和7年度第5回)が8月22日午後、大阪府医師会館で行われた。本文は加納康至会長あいさつ(要旨)。

 新型コロナウイルス感染症の「定点」データによると、全国で患者が増えつつある。本会の「独自」データでも微増傾向が見られる。お盆休みなどで人々の往来も多い時期が過ぎ、動向を引き続き注視する必要があると考えている。
 7月20日の参議院議員選挙では、日本医師連盟推薦の釜萢敏先生が当選された。各地域でご尽力いただいた先生方に深く感謝申し上げる。自民党への風当たりが非常に強い中、釜萢先生を国政に送り出すことができ、ひとまず安堵しているところだ。一方で、大阪のA1会員一人当たりの得票数は依然として全国の中で最も低い現状が改めて浮き彫りとなった。準備不足にならないよう、今後の政局を見据え、今から準備を進めていく必要があり、先生方には引き続きご協力をお願いしたい。
 2027年4月に大阪市内で開催される日本医学会総会に関し、地域の医師会には、医学会総会事務局から登録推進委員の推薦依頼が届いている頃である。今回の医学会総会は、澤芳樹副会長が会頭を務め、本会としても複数のセッションを予定するなど、会の成功に向けて力を注いでいる。ぜひとも委員をご推薦いただきたく、各医師会でのご検討をお願いしたい。
 先月26日には、医療問題研究委員会の特別講演を開催した。講師として日本福祉大学の二木立・名誉教授を招き、6月に閣議決定した「骨太の方針2025」や医療情勢についてご講演いただいた。二木先生からは、30年以上前より「医療は安定成長産業」と主張してきたが、22~24年にかけて「医療費・社会保障費抑制」という今までとは異なる状況、「逆流」が見られるとの見解が示された。具体的に、「防衛費の急増」「こども未来戦略」「一部政党が主張する社会保障・社会保険料の引き下げ」の3つの「逆流」を挙げられたが、これらは今後の医療政策を考える上で見落としてはいけないと解説された。今回の骨太の方針では、「医療・介護・障害福祉等の公定価格の引き上げ、経営の安定」などが認められたことや、「社会保障関係費の伸びの要因として高齢化と高度化等が存在する」と明記されたことで、医療機関の経営に希望が見えてきたと言及された。一方で、予算編成過程での検討を経た上で、早期実現が可能な項目については次年度から実行すると記載されたことから、一部政党の主張する医療・社会保障費の抑制策が進む可能性を危惧された。
 参議院議員選挙後の政局は混迷を深めているが、今回の釜萢先生の当選を追い風に、次年度の診療報酬改定が医療機関の経営安定に資するよう、日本医師会と引き続き連携しながら、本会としても注力してまいる所存だ。
 先生方には、会務運営に対する引き続きのご理解・ご協力をお願いしたい。