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府医ニュース

2025年9月17日 第3120号

 ◆医学生・研修医は、それぞれの心に秘めた医師としての志とやりがい、社会貢献の意識を持って各診療科に進む。中でもハードワークを覚悟にスキルアップとやりがいを得るのが外科系診療科であろう。
 ◆一方で、診療科を決める選択基準として、ワークライフバランス、診療科や医局の雰囲気、また収入といった現実的な動機もある。このためばかりではないだろうが、今、消化器外科医が不足するという診療科偏在が深刻化し、日本外科学会も危機感を示している。
 ◆これに呼応して厚生労働省は、少子高齢化と労働力不足が進む2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関する取りまとめを行った。特に手術療法において、減少する外科医の集約化は避けられないとしている。
 ◆「直美」といった収入とワークライフバランスを優先する医師が増える風潮もある中で、国は外科医減少を前提とした対策を講じる前に、命を救うという責任と奉仕の精神で働く外科医のモチベーションが上がる待遇改善の施策を打ち出すべきである。(誠)