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医師・医療関係者のみなさまへ

令和7年度ロコモ研修会(実習)

府医ニュース

2025年9月3日 第3119号

フレイル・ロコモ予防の運動指導

 令和7年度「ロコモ研修会(実習)」が6月18日・19日午後、大阪府医師会館で開催された。本研修会は元年度から始まり、「運動器症候群(ロコモティブシンドローム/以下、ロコモ)」をテーマとした講義および実習を2日間で実施している。なお、両日とも同内容であり、日医認定健康スポーツ医など計約70人が参加した。

 座長は両日とも小林正之氏(府医健康スポーツ医学委員会委員)が務め、第1日は宮田重樹氏(宮田医院長)、第2日は和田孝彦氏(オサダ整形外科クリニック理事長)が講演した。はじめに、前川たかし理事があいさつ。ロコモの進行が生活習慣病や要介護状態のリスクを高めることに言及し、本研修会での学びを日々の診療に生かしてほしいと呼びかけた。
 両氏の講演では、6年度から開始された「健康日本21(第三次)」の方針に触れ、基本目標である「健康寿命の延伸」と「健康格差の縮小」を概説。特に「フレイル」と「ロコモ」は要介護状態への前兆であり、早期発見と対策の必要性を強調した。続いて、ロコモ度の判定方法として、▽立ち上がりテスト▽2ステップテスト▽ロコモ25――の活用方法を紹介。あわせて、日本整形外科学会が推奨する「ロコトレ(ロコモーショントレーニング)」から、①スクワット②片脚立ち③ヒールレイズ④フロントランジ――の4種の運動を指導するとともに、日常生活の中で積極的に体を動かす意識が不可欠であり、ロコトレは認知症や生活習慣病予防、快眠にも効果があると説明した。
 最後に、「人生100年時代」と言われる中、自立した生活を維持できるよう日常診療の中でも運動指導を行ってほしいと締めくくった。