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医師・医療関係者のみなさまへ

天王寺区医療介護連携相談事業ワールドカフェ

府医ニュース

2025年9月3日 第3119号

情報伝達について意見交換

 天王寺区医師会(喜多岡雅典会長)は7月23日午後、大阪市内のホテルで「令和7年度天王寺区医療介護連携相談事業ワールドカフェ」を開催。同区内で医療・介護に従事する多職種ら35人が参加した。

 奥野真英氏(同区医療・介護連携相談支援室コーディネーター)が司会を務め、喜多岡・同医師会長があいさつ。医療と介護は、その人らしい生活を支えることが共通点であり、互いを補完する関係性だと述べ、今回のワールドカフェがよりよい協調のあり方を考える機会になることに期待を寄せた。
 次いで、奥野氏がワールドカフェの進行を説明。多くの知識や考えに触れ、相互理解や関係性の質を深めることが目的だとした。今回は、各テーブルに置かれた模造紙に自分の意見や考えを書き残し、ホスト以外がテーブルを移動する。最後に元のテーブルに戻った際には、増えているコメントをぜひ確認してほしいと呼びかけた。
 次いで、豊川秀吉氏(同医師会理事)がテーマ「医療機関・介護事業所の自施設での情報共有について」を発表。同医師会が提供する情報提供ツール「バイタルリンク」をより普及・活用するためにも、日頃の情報伝達における課題などに対して医師会から働きかけ、地域全体が同じツールを用いることで円滑な連携を実現したいと語った。
 ワールドカフェは4セット行われ、活発な意見交換がなされた。テーマから話題が発展し、好事例や困難事例について質問し合う様子もみられた。最後に各テーブルのホストがコメント。医療側と介護側が共通のツールを活用することや、情報管理や共有においてそれぞれが使いやすいツールをすり合わせることの重要性のほか、顔の見える関係の大切さも述べられた。喜多岡・同医師会長は、介護保険制度導入直後に医療と介護の間に感じた「高い壁」を振り返り、本日の話し合いを通じて「天王寺区にはほぼ壁や溝はないと実感した」と総括した。