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府医ニュース
2025年8月27日 第3118号
大阪府女医会(藤谷宏子会長)は6月22日午後、第17回総会および講演会を大阪市内で開催。ウェブとの併用で約80人が参集した。
はじめに、藤谷・同医会長があいさつで、会長に就任してからの1年間を振り返り、会員の協力と理解に謝辞を述べた。
次に、議長に野崎京子氏、副議長に和田純子氏が選出された。決議事項では、令和6年度予算の訂正について説明がなされた後、6年度事業報告・収支決算・基金返還ならびに7年度事業計画・予算・評議員選任が上程され、いずれも承認された。
講演会では、藤谷・同医会長と横井葉子・同医会副会長が座長を務め、仲村雅世氏(モアクリニック院長)が、「もう悩まない!ヘルペス診療のこれから」と題して登壇した。
仲村氏は、▽帯状疱疹・単純疱疹▽接触皮膚炎▽手足口病――などの鑑別診断では、問診が大切になると強調。疾患ごとに適切な治療は異なるため、検査・鑑別の重要性や患者のQOLの観点からも早期診断・早期治療を訴えた。診断が困難な場合は、イムノクロマト法を用いた検査キットの使用を推奨した。治療開始後も症状が改善しない時は、二次感染の可能性を考慮し、診断や治療を再検討するようアドバイス。そのほか、ヘルペスの再発時に患者の判断で服薬する治療法「PIT」を紹介した。再発性ヘルペスは患者のQOLを著しく低下させる疾患であるが、PITにより改善が見込めると力を込めた。
次いで、森口久子・大阪府医師会理事が、「命の教育:小児科医の考える性教育とは」をテーマに講演した。学校において性教育が進まない背景として、教諭・養護教諭が性教育を学べる機会が乏しいことや、子どもがSNSやインターネットで知識を得ている点などを問題視。現代社会には「包括的性教育」が適しているとし、▽安全▽健康▽コミュニケーション▽人権▽ジェンダー学――を就学前から学ぶことが、豊かな人間関係を育むと述べた。最後に、「幼児期を楽しく過ごした経験は、将来家庭を持つ喜びにつながる」と語り、産むことを許容できる社会を築くため、時代とともに父母のあり方も変化が必要だと結んだ。