TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

将棋部だより

7月例会の成績

府医ニュース

2025年8月20日 第3117号

濱田五段が全勝優勝

 7月20日に今年4回目の例会を、大阪市中央区谷町の大阪府社会福祉会館で開催した。朝早くからクマゼミが鳴く、とても暑い日だった。
 葛飾北斎は「人魂(ひとだま)で行く気散じや夏野原」と辞世に際して詠んだ。彼は最期まで情熱的な絵師だった。死ねば魂になって飛び回り、見たものを描きたかったのだ。我々はいつまでも盤上の宇宙を旅したい。その願いは消えることがないであろう。
 今年の大河ドラマの初回に、愛希れいかさんが演じた女郎が、まだ子どもだった蔦屋重三郎に、想像力の大切さを教える場面があった。彼の心の成長はその時から始まった。将棋でも「こんな局面になればいいな。そこで良い手があって優勢になれる」と想像することが、しばしば勝利への道を拓く。想像は創造の源である。
 参加者は10人だった。今回は濱田五段(東住吉区)の出来が素晴らしかった。雄大な構想を描く作戦家の本領を発揮した。心の豊かさが感じられる堂々たる指し方で全勝優勝した。手島七段(和泉市)も全勝したが、3局は敗勢だったのに、終盤相手の失着に乗じて勝ったに過ぎなかった。3勝1敗の東森五段(平野区)が3位になった。ほかの参加者は、松村六段(池田病院/東大阪市)、山中五段(福島区)、伊藤五段(野崎徳州会病院/大東市)、青谷三段(高槻市)、柿原三段(堺市)、準会員五段、準会員四段だった。
 クロード・モネは睡蓮の花を繰り返し描いた。それを疑いもなく美しいと感じたからだという。彼は描くことによって、睡蓮とともに生きた。我々は将棋とともに生き、情熱を燃やして駒に生命を吹き込む。そして自らの心を明るく輝かせるのである。
 入部をお望みの方は、いずみがおかメンタルクリニックの手島(電話0725-56-2727)までご連絡ください。
報告 手島 愛雄(和泉市)