
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2025年8月20日 第3117号
令和7年度に就任された郡市区等医師会新会長より、あいさつ・抱負等を寄稿していただきましたので、紹介いたします(順不同)。
このたび、五島淳前会長の後任として、令和7年7月1日より、70年の歴史を誇る枚岡医師会の会長を拝命いたしました森重人でございます。
枚岡医師会は、昭和30年に旧枚岡市にて創設され、平成25年4月の公益法人制度改革に伴い、一般社団法人へと移行いたしました。現在は、病院・診療所の管理医師であるA会員61人、勤務医師であるB会員78人、計139人の会員により構成されております。
現在、医療を取り巻く環境は、少子高齢化の急速な進行や医療提供体制の大きな転換など、まさに歴史的な転機を迎えております。そのような中で、地域の医療の質と持続可能性を守り抜くという、極めて重要な使命を担わせていただくこととなりました。
私は、会員の皆様との対話と連携を何よりも大切にし、地域の医療課題――高齢化・過疎化・感染症・災害医療など――に対し、ともに知恵を出し合い、協力しながら取り組んでいく必要があると考えています。また、行政や関係機関との継続的な連携を一層強化し、有事の際に備えた災害時医療体制(JMAT・DMATとの連携、避難所支援等)の構築にも努めていく次第です。
さらに、在宅医療の推進においては、医師会がその中核としての役割を果たすべく、多職種との連携を強化し、地域包括ケアシステムのさらなる機能充実を図ってまいります。これにより、地域住民の皆様が、住み慣れた地域で安心して医療を受けられる環境づくりに全力を尽くす所存でございます。
今後とも、皆様のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
令和7年5月31日の定例社員総会において、山口竜司前会長の後を引き継ぎ河内長野市医師会長を拝命いたしました森川栄司です。
河内長野市医師会は6年に設立70周年を迎えました。平成12年のピーク以降、当市では人口減少・少子高齢化が急速に進み、10万人を切った現在では消滅可能性自治体の一つに数えられ、地域医療維持においては問題が山積しています。とりわけ2035年頃にピークを迎える多死社会の医療体制と、出生数が激減する地方において子育て世代を支えるための産科・小児科医療体制維持、この二つを地域での課題と捉えております。
当医師会での在宅医療への体制づくりは、5年の医師会立訪問看護ステーション設置、多職種連携の研修の場として15年に在宅サロンの開始と、早くから取り組んできました。24年には医師会内に地域連携室を設置し、病院、行政、医療機関、居宅介護事業所などとの円滑な連携を進める以外に、市民からの医療・介護の相談窓口の役割を果たしています。産科・小児科については若い世代の人口減少を食い止めるために必要なインフラですが、市内で唯一分娩を扱う産科診療所が昨年に分娩受け入れを中止したため現在は大阪南医療センターのみとなっています。小児救急は南河内3医師会が広域での協力体制を整えていますが、市小児保健事業と合わせての負担が小児科医療機関に大きくかかっています。これらの課題を解決するに当たり、皆様のご指導ご支援をいただき、行政と協力しながら取り組む所存です。