
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
府医ニュース
2025年8月20日 第3117号
北区医師会(本出肇会長)は6月12日午後、同区民センターで「第26回みんなで学ぶ健康法」を開催。区民ら約310人が参加した。
冒頭、本出・北区医師会長があいさつ。本講演会が生活習慣を見直すきっかけになればと期待を寄せた。次に、寺本譲・同区長は、同医師会の活動に謝意を表し、区民の健康と長寿に向けた連携を進めると言明。廣川秀徹・同区保健福祉センター医務主幹は、関係者への感謝を述べ、健康づくりの大切さを説いた。
西平綾子・同医師会理事が座長を務め、はじめに、森島淳之氏(住友病院腎臓・高血圧内科診療主任部長)が、「慢性腎臓病:基本から最近の話題まで」と題して登壇した。慢性腎臓病は日本では成人の5人に1人が該当する一般的な疾患であり、eGFRと尿たんぱくの量によってステージ分類されると説明。腎機能は一度低下すると回復が困難なため、早期発見と早期対応が重要とアドバイスした。治療の柱として、▽減塩▽禁煙▽減量――などを含む生活習慣の改善を提示。「不整脈」「動脈硬化」などの合併症、薬剤による腎障害のリスクにも注意喚起した。そのほか、新薬に触れ、効果と副作用を解説。両方を理解し、慎重な使用の必要性を伝えた。
続いて、阪口勝彦氏(同病院特別顧問/特任院長補佐)が、「健康食品(サプリを含む)は安全なのか? 現状とこれから」をテーマに講演。健康食品を「保健機能食品」「その他のいわゆる健康食品」に大別し、「保健機能食品」の中でも「特定保健用食品(トクホ)」と「機能性表示食品」の概要や違いなどについても説明した。令和6年に発生した小林製薬の紅麹製品による健康被害を引き合いに、健康食品がもたらすリスクを警告。過剰摂取やサプリメントの併用による危険性を説き、安易な使用は避けるべきとした。サプリメントへの過信を戒め、医療従事者の助言と正確な知識の下で摂取することが重要だと締めくくった。