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大阪産婦人科医会創立120周年記念式典

府医ニュース

2025年8月6日 第3116号

OGCSで大阪の妊産婦の健康を守る

 大阪産婦人科医会(光田信明会長)は6月14日夕刻、大阪市内のホテルで会員総会および創立120周年記念講演を開催した。

 記念講演では、光田・同医会長が座長を務め、まず、「大阪の周産期救急においてOGCSが果たしてきた役割」と題して、吉松淳氏(同医会理事)が講演。産婦人科診療相互援助システム(OGCS)は昭和62年に全国に先駆けて大阪で発足した母体搬送ネットワークシステムであり、24時間365日体制で一般診療から高次病院まで産科領域で問題が発生した場合や、発生が予想される場合に紹介・搬送コーディネートを行っている。吉松氏は、年間2000件程度がOGCSを利用した母体搬送につながっていると説示したほか、OGCSに参加する34施設のうち10施設は最重症妊婦の受け入れを担っていると強調。OGCSは搬送元と搬送先が互恵的関係にあるための仕組みであり、大阪の妊産婦の健康を守るために欠かすことができないと締めくくった。
 続いて、「大阪産婦人科の温故知新」をテーマに、木村正氏(同医会特任理事)が登壇。木村氏は我が国における産婦人科医療の歴史を紐解くとともに、産婦人科関係団体の歩みを解説した。その上で、大阪産婦人科医会の役割の一つに、会員が連携できる顔の見える関係構築を挙げ、人口や出生数が減少する厳しい状況ではあるが、大阪の姿に合わせた産婦人科医療を目指していきたいとまとめた。
 講演後には懇親会が催された。光田・同医会長はあいさつで、歴代役員および会員、関係団体の協力によって創立120周年を迎えることができたと謝意を表明。引き続きの支援を求めた。
 また、来賓として出席した中谷健志氏(大阪府健康医療部保健医療室長)、加納康至・大阪府医師会長、石渡勇・日本産婦人科医会長が祝辞を披露。加納会長は、産婦人科一次救急体制確保事業、母体保護法指定審査委員会、感染症サーベイランス事業をはじめとする府医の各種事業への協力に謝意を表するとともに、引き続きの支援を求めた。その後、高木哲・元同医会長による乾杯の発声で歓談に移り、出席した同医会員ら関係者が懇親を深めた。