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医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2025年8月6日 第3116号
布施医師会(平松久典会長)は5月17日午後、市立東大阪医療センターで第11回病診連携懇話会を開催した。今回は「下り搬送が稼働した現状について」をテーマに、医師ら27人が参加。今後の連携課題などを共有した。
開会あいさつで平松・布施医師会長は、懇話会を通じて「下り搬送」への理解が深化することに期待を寄せた。
続いて、松本仁氏(同医師会理事)が座長を務め、三田英治氏(同センター総長)が、同センターにおける下り搬送運用の経過や実績、問題点などを解説した。昨年10月の運用開始以来、順調に件数が伸び、今年1月以降は30件台を安定して推移していると提示。ほとんどの対象者が75歳以上で、疾患別には、①呼吸器疾患②尿路感染症③整形外科疾患――の順で多いと報告した。
次に、下り搬送の流れを説示した。患者を診察し、患者・家族への説明や搬送の準備を行い搬送先に依頼するが、「一般的に、下り搬送という言葉や意義が根付いていない」と前置き。政府からの周知の不十分さを指摘しつつ、医療機関ごとに事情が違うこともその理由の一つだと見解を示した。一旦入院した患者・家族を転院させる際の理解形成も課題に加えた。そのほか、搬送先の選定や転送実施について詳説した。
三田氏は、受け入れ打診後の情報共有を密にし、特に即日搬送は、極力早い時間帯の実施が重要と言及。各医療機関の特色に応じた依頼ができるよう努めたいとした。
引き続き、長原大氏(ながはら病院長)と上坂利絵子氏(東大阪生協病院地域連携課看護師長)、田中美里氏(同病院副事務長)が、下り搬送受け入れに関する各病院の取り組みを発表した。
最後に、川口俊氏(同医師会副会長)が、病院と診療所がより一層連携し、より良い地域医療を構築していきたいと締めくくった。