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医師・医療関係者のみなさまへ

日医主催 第19回男女共同参画フォーラム

府医ニュース

2025年8月6日 第3116号

ダイバーシティを踏まえたキャリア支援を議論

 日本医師会主催の「第19回男女共同参画フォーラム」が5月17日午後、福島県郡山市内のホテルで「ダイバーシティを踏まえたキャリア支援」をテーマに開催された。今年度は福島県医師会が担当し、全国から約230人が参集。大阪府医師会からは、笠原幹司・清水智之両理事のほか、男女共同参画検討委員会の平松昌子委員長、西野照代副委員長、中川友里委員が参加した。

 開会にあたり、松本吉郎・日医会長、石塚尋朗・福島県医師会長、内堀雅雄・福島県知事があいさつ。松本・日医会長は、「医療が機能してこそ国民の健康が守られ、ダイバーシティの推進にもつながる」と述べ、医療の基盤としての重要性を改めて強調した。基調講演では、斎藤美幸氏(金水晶酒造株式会社四代目蔵元・取締役会長)が登壇。「日本酒は故郷の誇り――福島市唯一の造り酒屋を守りたい」と題し、自身のキャリアと地域課題に触れながら、人口減少の中で女性が安心して暮らせる社会の実現には長期的視点が不可欠であると語った。
 続いて、加藤庸子氏(藤田医科大学ばんたね病院脳神経外科教授)が、「女性医師のキャリア形成に壁はあるか」と題して講演。自身の経験を踏まえ、女性医師の役割としてコミュニケーション能力や協調性、DEI(Diversity・Equity・Inclusionの頭文字。すべての人に公正な機会を与え、多様な背景を受容できる社会を表す)推進を挙げたほか、「女性が前に出られる環境」を上席者が整備していく必要があると語った。
 次に、日医の取り組みとして、小泉ひろみ氏(日医男女共同参画委員会委員長)が、▽答申活動▽フォーラムへの提言▽調査事業――の3つの柱を紹介。また、松岡かおり・日医常任理事は、女性医師支援センターの事業について報告した。
 最後に、シンポジウムとして、「地域医療と若手医師のキャリア支援」(新妻崇永氏〈福島県保健福祉部医療人材対策室長〉)、「チーム医療はチーム育児へ」(中山文枝氏〈かしま病院診療部長〉)、「地方移住と育児から見えた人生観」(岩楯兼尚氏〈大原綜合病院脳神経外科部長〉)の3演題が発表され、講演後の総合討論では参加者と活発な意見交換がなされた。
 次回の同フォーラムは、令和8年4月4日に沖縄県那覇市で開催予定であり、田名毅・沖縄県医師会長が多数の参加を呼びかけた。