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府医ニュース

2025年6月18日 第3111号

 ◆「西成の朝は早い」、研修医時代に先輩医師からあいりん地区の病院の当直を頼まれた時の伝言だ。建物内には職業安定所があり、早朝から日雇い労働者が殺到し求人活動が始まる、まさしくその光景のことであった。
 ◆現在は、すっかり様変わりして西成の朝が早い。早朝からあちこちで外国人観光客のキャリーケースのゴロゴロ音が鳴り響く。南海沿線の町中を歩けば、驚くほどに民泊施設が密集する。
 ◆全国の特区民泊の9割超が大阪市に集中し、中でも西成区が最多だ。その実態は、営業者の6割が中国系で、民泊経営者として格安の資本金で経営・管理ビザを取得し、家族共々移住する手段になっている。大阪市は「民泊施設の認定・許可はしても、営業状況を把握できない」とし、セキュリティ対策には無頓着なようだ。
 ◆最近、外国人による容易な外国免許切替での悪質な運転事故や国民健康保険の不正利用が問題化し、制度の甘さが露呈している。外国人への寛容性にも程がある。各制度の厳格化を急がないとこの国の先行きが心配だ。(誠)