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医師・医療関係者のみなさまへ

調査委員会だよりNo.125

医療・介護の負担と給付のバランスについて大阪府民の調査結果より

府医ニュース

2025年6月4日 第3110号

 前回に引き続き、本年3月に調査委員会が実施したアンケート調査の結果から、医療・介護に関する生涯を通じての負担と給付のバランスへの評価の結果です。
 設問の回答は「負担より給付がかなり少ない」「負担より給付がやや少ない」という現状不満派と、「負担と給付のバランスが良くとれている」「負担より給付がやや多い」「負担より給付がかなり多い」という現状満足派、そして「わからない」に大別して、結果を分析しました。全体では、不満派 55.9%、満足派 20.3%、わからない 23.8%でした。男性では不満派 55.0%、満足派 23.6%であり、女性ではそれぞれ、56.7%、17.4%となり、やや男性に満足派が多い結果でした。いずれにしても、負担に比べ十分な給付を受けていないという不満派が満足派の倍以上になります。これを経年的に比較すると、不満派が減少傾向であり、満足派が増加傾向であることが見て取れます。これは、前回の満足度の報告でも考察した通り、COVID-19パンデミックの経験が影響していると推察しています。年代別では明瞭な傾向は見て取れませんでした。
 社会保障負担に限らず国民にとって負担は軽い方を望むのは当然です。とはいえ、社会保障改革の根幹は、良いところを保持することであり、そのために負担と給付のバランスをどう整合させていくかと議論を展開すべきだと考え、この資料がその議論の資料の一つとなることを期待しております。

文 島田 永和(羽曳野市)