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医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2025年6月4日 第3110号
大阪府医師会学校医部会(部会長=宮川松剛・府医副会長)は2月19日午後、令和6年度第4回学校保健講習会を府医会館とウェブの併用で開催。学校医や養護教諭など学校関係者ら約400人が聴講した。
冒頭、森口久子・同部会副部会長(府医理事)はあいさつで、本講演会を明日からの学校医活動に役立ててほしいと期待を寄せた。
次いで、尾崎智康氏(大阪医科薬科大学泌尿生殖・発達医学講座小児科学教室助教)が、「学校管理下の心臓突然死の予防について」と題して講演。まず、学校教員による「AEDの使用効果」により学校管理下における心臓突然死は低下傾向が続いていると説示した。また、心停止が発生するのは、体育の授業中や運動部の部活中が多いと指摘。運動強度が大きいほど死亡例が増える傾向を示した。突然死を防ぐには、学校心臓検診や運動時の準備運動など「予防」が最重要であると強調。医師・家族・教員間で「疾患のある子ども」の情報を共有する必要があると伝えた。さらに、心停止の発生時には、一刻も早い心肺蘇生とAEDの使用が救命率を向上させるとし、日頃の訓練やAEDの設置場所にも留意が必要と呼びかけた。
続いて、宮本裕子氏(アイアイ眼科医院長)が、「啓発授業の試み――近視とコンタクトレンズの問題」をテーマに登壇した。宮本氏は、2050年には近視人口は2倍近くに増加する見込みであり、特に強度近視の人は失明につながる眼疾患を合併する危険性があると言及。近視進行抑制治療の現状を紹介し、早急に子どもの近視を食い止めなければならないと訴えた。また、コンタクトレンズ(CL)使用開始の低年齢化に触れ、正しい知識がないままインターネットなどでカラーCLを入手する若者の増加を危惧。啓発授業の実例を挙げ、子ども達の意識を良い方向に変えられるよう協力を要請した。