
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
本日休診
府医ニュース
2025年6月4日 第3110号
久々のコンビニおにぎりは、値上がりしていた。
物価高騰はすでに私達の暮らしを侵食しているが、コメの高騰が続くと、不安になる。
6月5日は、二十四節気の芒種だ。芒(のぎ)のある穀物の種をまく時期を意味し、古くから田植えの目安とされてきた。梅雨入りの頃でもある。田植えと聞くと、経験はないのに、水を張った田んぼや緑の棚田が、原風景のように思い浮かぶ。6月には、大阪の住吉大社をはじめ、全国各地で、豊作を祈り、御田植神事が執り行われる。日本人は、稲作と長く、深く関わってきた。ただ、稲作を行う農家の状況も、取り巻く環境も、大きく変わっている。
先日新しい映画の特集で、原作者のインタビューを目にした。長編小説「遠い山なみの光」の作者で、長崎で生まれたイギリスのノーベル賞作家カズオ・イシグロ氏。原作は40年以上前に書かれ、戦後80年となった今、映画化となった。彼の母は長崎で原爆を体験している。母から託された記憶の、今の世代への語り直しでもあるという。
時とともに、私達の生活は変わる。仕組みが、制度や組織が現状にそぐわなくなることもあるかもしれない。価値観も変わる。ただ、「なぜその仕組みが作られたのか」を忘れつつあることを認識し、現在とこれからに合った仕組みを構築していく必要があるのではないだろうか。
芒種とふ
こころに播かん
種子もがな
能村登四郎
植物の種をまく芒種ということで、心に種をまくのにふさわしい日であってほしい。(颯)