
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2025年6月4日 第3110号
◆1964年開業の新幹線は当時の先端技術の結晶とある。ただし、駅での定位置停車の自動化は採用せず、運転士が操作することに。
◆中央制御での運用であるが、あえて現場の「人」が制御するパートを残したのであろう。テクノロジーに身を委ねつつも、熟練の運転に安心を得る乗客と信頼に応える責任感を持つ運転士の温かい交わりが大切にされている。人に律され人に合わせ機能することがテクノロジーの姿と。
◆数年後には、新幹線に全自動運転を導入する予定という。リニア新幹線への布石であろう。より速い移動のみが目的化し、人の「温もり」が疎外されないだろうか。際限ないテクノロジーの拡大がブラックボックスとなり、人が呑み込まれる事態が危惧される。
◆医療DXが益々加速している。巨大なプラットフォームでのクラウドネイティブ電子カルテ。診療情報の活用・制御がブラックボックスに埋没するのではないだろうか。患者・医師の温かい絆とテクノロジーのコンヴィヴィアルな関係性が課題であろう。(翔)