TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

大阪・関西万博に出務する医師への説明会

府医ニュース

2025年6月4日 第3110号

多数傷病者発生時の対応を説明

 大阪府医師会は4月10日午後、「大阪・関西万博内診療所に出務する医師への説明会」を府医会館で開催。出務を予定している医師ら約50人が出席した。
 宮川松剛副会長と栗山隆信理事が司会を務め、加納康至会長があいさつ。本説明会を通して有事に備えた会期中における医療体制への理解が深まることに期待を寄せた。
 はじめに、木下哲男氏(2025年日本国際博覧会協会危機管理局危機管理部危機管理課長)が、「出務に関する概要」について、▽医療救護施設・体制▽医療スタッフの業務▽出務の流れ――などを説明した。
 次いで、仲桝哲氏(大阪急性期・総合医療センター災害対策室長)が、「多数傷病者発生時の対応等について」をテーマに登壇した。平時に加えて、災害時の医療体制について解説。傷病者が多数出た場合の配置や役割り、使用する記録物などを示した。災害時におけるトリアージでは、多数の傷病者を速やかに診療や搬送につなげるため、「PAT法(2次トリアージ)」を紹介。舞台では人形を用いた実演が行われ、治療の優先順位を決めるものであり、迅速に行うよう訴えた。仲桝氏は、「限られた人的物的資源の中で最大多数の傷病者に最善を尽くすこと」という概念の下、災害時におけるトリアージの重要性を強調。そのほか、南海トラフ地震が発生した場合の対処法について言及した。
 最後に、質疑応答が行われた。宮川副会長と栗山理事からは、開幕前のテストランで出務した経験を振り返り、アドバイスが送られた。また、より良い万博を作っていくために、「出務後に気付いたことがあればぜひ共有してほしい」と要請した。