
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
府医ニュース
2025年6月4日 第3110号
大阪府医師会労災部会(部会長=宮川松剛副会長)は2月10日午後、府医産業医部会および労災保険情報センターとの共催で、令和6年度第3回「労災医療研修会」を開催。約170人が聴講した。
まず阪本栄副会長があいさつ。労災治療が適切に行われるよう協力を求めた。引き続き、志村幸久氏(大阪労働局長)が登壇。本研修会には労働局の職員も参加しており、「実践的研鑽が積めている」と感謝した。その後、厚生労働省労働基準局長による表彰者として上道哲氏、政田和洋氏、河野公一氏を顕彰。同じく大阪労働局長より、鍵本伸明氏、土師一夫氏、稲田泰之氏、池澤浩二氏、早崎浩司氏の5人が表彰された。
清水智之理事が座長を務め、出水順氏(北総合法律事務所弁護士)が、「医療現場での個人情報の取り扱い」と題して講演した。平成15年に「個人情報の保護に関する法律」が制定され、ガイドライン等に基づき具体的な運用がなされており、出水弁護士からは法解釈や留意点が伝えられた。特に、個人情報の利用には本人の「同意」が必要とされており、医療機関や介護施設等への情報提供、行政機関や保険会社からの照会など、シチュエーションごとの見解を示した。
池田俊一郎氏(関西医科大学精神神経科学教室講師)は、「労働者のギャンブル等依存症」を解説した。ICD11を引用し、ギャンブル行動症の診断ガイドラインを説明。借金や貧困から孤立、自殺といった問題を引き起こすと注意を促した。治療では回復の方法がそれぞれ違うこともあり、柔軟に考える必要性を説いた。あわせて、「イネーブリング(Enabling)は問題行動を増悪させる」と強調。ギャンブルの借金を肩代わりすることは厳に慎むべきと加えた。さらに、かかりつけ医の重要性を指摘。早い段階で変化に気付き、自助グループや行政の支援、専門医の紹介などにつなげてほしいと結んだ。