TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

第2回勤務医部会研修会

府医ニュース

2025年5月28日 第3109号

医師が学ぶべきマネーの話

 大阪府医師会勤務医部会は2月15日午後、難波御堂筋ホールで令和6年度第2回勤務医部会研修会(通算第65回)を開催。ウェブとの併用で医師ら約130人が受講した。
 座長を杉本圭相・同部会副部会長(府医理事)、山根裕介氏(U40OSAKA勤務医部会委員)が務め、林義人氏(同部会委員)があいさつ。日常診療の枠を超えて視野を広げるために実施しており、本研修会がより良い人生設計のためのヒントになればと期待を寄せた。
 基調講演では、髙草木陽介氏(横浜栄共済病院放射線治療科副部長)が、「勤務医が考える勤務医のための頑張らない資産形成:とりあえず資産1億円を目指しませんか?」と題して講演した。まず、金融資産の保有額が1億円以上の世帯は日本全体の2.7%に留まり、医師はこの層に入る見込みのある職業だと前置き。勤務医も同程度の収入を目指せるが、4割強の貯蓄額は1千万円未満と述べ、資産形成がうまくいってないことが一因との見解を示した。
 主な資産形成方法として、国の制度を活用した資産運用を挙げ、貯金だけでは、お金の価値が下がったり所得が伸びにくかったりするとし、「運用」の利点に言及。▽長期・分散▽低コスト――の大原則を紹介した。髙草木氏は、「子どもが産まれることをきっかけにお金について考え出した」と振り返り、インデックス運用の投資信託が最適と語った。インデックス運用は市場の平均リターンを狙う投資方法とし、広く分散された手数料の安い株式インデックス商品が良いと助言した。勤務医が早期に始めれば、手取り収入の10%の運用で65歳時に1億円の資産形成が可能と見通した。
 あわせて適切な支出管理も重要と述べ、保険・不動産・地位財において支出を抑えるようアドバイス。▽貯蓄性のある保険▽不動産投資▽他人との比較で価値が生じる地位財――などは効率的ではない支出とし、お金と幸せに付き合うには「お金を誰とどう使うか」が重要だと訴えた。