
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
勤務医の窓
府医ニュース
2025年5月28日 第3109号
4月5日、春の気配が色濃く残る中、大阪府医師会主催による「第9回新研修医ウェルカムパーティー」がシェラトン都ホテル大阪で開催されました。当日は、府内各地の臨床研修病院から303人の新研修医が参加し、先輩医師や関係者を含めた総勢425人が一堂に会しました。医療界の新たな一歩を踏み出す若者達を迎えるにふさわしい、温かく、活気あるひとときとなりました。
冒頭、加納康至・府医会長、幸原晴彦・府医勤務医部会副部会長から力強い歓迎の言葉が贈られ、新たな医療人としての門出を祝福しました。続いて、日本医師会の黒瀨巌常任理事による「医師会の役割と展望」と題したプレゼンテーションが行われ、若手医師にとって医師会との関わりがいかにキャリア形成や地域医療において重要であるかを改めて共有する機会となりました。
また今回も、大阪府医師協同組合・大阪府医師信用組合のご協力の下、それぞれの取り組みや制度についての紹介が行われ、新研修医に向けた支援体制の全体像を伝える貴重な場ともなりました。
今回、新たな試みとして「診療科紹介ブース」を設置しました。15分ごと5回に分け、各診療科の先輩医師が交代しながら研修医と直接対話する形式で、将来の専門領域や進路に関する生の声を聞く貴重な機会となりました。参加者からは、「普段の研修では聞けないリアルな話を聞けた」「進路に迷っていたが一歩踏み出すきっかけになった」といった声が寄せられました。
一方、診療科ごとの訪問数に差が出たこと、時間や場所の案内が不十分だったことなど、初の試みならではの課題も見えてきました。ご担当いただいた先生方には、行き届かない点があったことをお詫び申し上げるとともに、今後さらに工夫を重ね、より良い形で継続していきたいと考えています。
また、今年度は府医勤務医部会公式LINEアカウントへの登録キャンペーンも実施し、261人の新規登録(登録率86.1%)という成果を上げました。このLINEは、研修医の皆さんと医師会との継続的なつながりをつくる大切な情報ツールであり、今後はキャリア相談や医療政策、制度の情報などを分かりやすく発信していく予定です。
さらに、参加者全体の雰囲気としても、大学・病院の垣根を越えた活発な交流が生まれており、ある研修医からは「他院の同期と悩みを共有でき、安心した」「これからも連絡を取り合いたい仲間ができた」といった前向きな感想も届いています。医師という職業は時に孤独になりがちですが、こうした〝つながり〟が医療者としての道を支える土台になっていくことを願ってやみません。
司会進行については、至らぬ点や手際の悪さもあり、ご迷惑をおかけした場面があったことは反省点です。次回以降は、運営のさらなる改善に努めてまいります。
府医では、今後も研修医や若手医師が現場で孤立せず、悩みや不安を抱えた時に相談できるような「伴走する医師会」でありたいと考えています。今回のウェルカムパーティーが、皆さんにとっての〝出発点〟として心に残るものであったなら、それに勝る喜びはありません。
府医勤務医部会副部会長(府医理事) 杉本 圭相