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府医ニュース
2025年5月28日 第3109号
私が3、4歳で名古屋に住んでいた頃、隣の家に同じ年のちぃちゃんという女の子が住んでいました。ちぃちゃんはいわゆる「ワイルド系」で、私とはタイプが違っていましたが、隣どうしなのでよくいっしょに遊んでいました。
ある時、私は母にちぃちゃんにいじめられていると訴えました。どのようにいじめられていたのか、まったく記憶にないところをみると、たぶん大したいじめではなかったのだと思います。母は私に「一回やり返しなさい」と言いました。大人しい娘が歯がゆかったのかもしれません。
そこである日私は、持っていたスコップをちぃちゃんの頭にコツンと当てました。決して頭を叩いたのではなく、コツンと当てただけですが、ちぃちゃんは思わぬ私の反撃に驚いたのか、泣きました。そしてそれ以来、ちぃちゃんにいじめられることはなくなり、仲良く遊ぶようになりました。二人で並んで写っている写真が残っています。
いじめ問題が、やり返したら解決するなどというつもりはありませんし、暴力もだめです。これは幼い時の私とちぃちゃんの間だけでのことです。
その後何十年も経ち、勤務医として、診療所の院長として長く何とか務めてきました。基本的な性格は変わらないままだと思いますが、それでも言うべきことは言わなければならない局面はあります。そんな時、幼い日の「ちぃちゃんの頭コツン」がよみがえります。
私は5歳の時大阪に引っ越したので、その後のちぃちゃんの消息は分かりません。(瞳)