TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

在宅医療における感染対策研修会

府医ニュース

2025年5月21日 第3108号

コロナ禍での活動からポイントを解説

 開会あいさつで前川たかし理事は、同隊メンバーの講演によって、ケア現場での感染対策や多職種連携が促進されることに期待を寄せた。
 塚本雅子氏(府医介護・高齢者福祉委員会委員)が座長を務め、はじめに小林正宜氏(同委員会委員/葛西医院長)が、「医療介護従事者が知っておくべき感染について――感染対策総論から検査・薬の使い分けやコツなど」を伝えた。まず、飛沫感染を中心に感染症について概説。新型コロナウイルス感染症の5類移行後も、感染リスクは変わらないことを改めて確認した。また、「アフターコロナのボトルネックは施設クラスター」と言明。クラスターを少人数で収束させる重要性を説いた。コロナ患者への往診の手順や工夫などを列挙し、介護士が患者の生活に入っていける体制整備ができてこそ、コロナ禍を乗り越えたと言えると訴えた。
 田中綾氏(グルメ杵屋社会貢献の家施設長)は、「KISA2隊大阪流施設クラスター総論――現場のリアルから見える高齢者施設の課題と強み」と題し、現場の実情を共有した。クラスターの①発生期②拡大期③持続期④収束期⑤平時――における陽性者状況や必要な対応などを解説。シミュレーションを継続し、地域全体で感染対策を深化させたいと力を込めた。
 引き続き、金児大地氏(株式会社familink代表取締役)が、「クラスター発生時における支援者としての関わり方――KISA2隊流クラスター支援のポイントと支援者としての心構え」を講演した。施設ごとに方針が異なるが、言葉が届く関係性の構築や施設の方針にあった支援を心掛けているとした。さらに、改善例を提示しつつ、▽環境整備は安心▽ケアの見直しは自信▽職員のシフト調整は信頼▽外部との連携・連絡は希望――につながると締めくくった。