
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2025年5月21日 第3108号
4月度郡市区等医師会長協議会(令和7年度第1回)が4月25日午後、大阪府医師会館で行われた。本文は加納康至会長あいさつ(要旨)。
4月13日に「大阪・関西万博」が開幕した。期間中の日曜日と祝日には府医から医師を派遣するが、半年で144人の会員にご協力いただく。4月10日には、出務医師向けの説明会を開催した。
当面は府医役員が出務し、以降はお申し出いただいた会員先生方のご出務がスタートする。55年ぶりの大阪での万博開催に、心躍る先生方も多いと推察する。思い出に残る万博診療所への出務となるよう、関係機関と連携し、円滑な出務体制を整えていく所存だ。
また、以前より府医会館内にもポスター掲示をしているとおり、2年後に大阪市内で第32回日本医学会総会が開催される。澤芳樹副会長が会頭を務めているが、私も副会頭として一つのセッションを担当する予定だ。現在、研究に関わる医師や勤務医、地域の開業医によるシンポジウムの開催などを検討している。
ご了知のとおり、昨年12月に国は高齢者数がピークを迎える2040年を見据えた地域医療構想の案を示した。医学会のシンポジウムでは、現在と将来を見据え、いかにして地域医療を面で支えていくのかをパネリストや会場の先生方と議論できればと考えている。先生方のご参加をお願いできれば幸いだ。
新年度がスタートし、もうすぐ1カ月が経過する。前回の代議員会などでのご意見も踏まえ、故中尾正俊前会長が示した4つの方針をより具体的にしていくためにも、▽病院協会との懇談のさらなる活性化▽組織力強化として勤務医部会(特にU40)のさらなる進化▽メディアとの定期的な懇談会の開催▽限りある医療資源や財源をどう有効に活用していくのか、会員や府民への情報発信――などを積極的に行っていく次第だ。
また、先日開催された「大阪府医師政治連盟第1回政党政策勉強会」では多くの先生方にご出席いただいた。「大阪維新の会における〝強さ〟の裏側について」と題して、桃山学院大学経済学部の吉弘憲介教授にご講演を賜った。そこで先生が強調されたのは、日本の国民皆保険制度は世界に誇れる医療保険制度だが、国民が毎月保険料を支払うことにより成り立っており、国民は「ある種の義務」として捉えている面が非常に強くあると説明された。そこに今回のような医療費4兆円の削減といった政策を持ち込むと、国民からすれば我々が支払っている医療費が無駄遣いされているかのような考えになり、結果的にその方針に賛同してしまうといった、ポピュリズム的発想がそこにはあるのではないかと強く主張されていた。
たしかに、今の国民の多くは、医療は無限にあると安心しきっている部分が少しあるのかもしれない。我々医師会はこの点に重点を置き、国民を盾にした主張をするのではなく、今の非常に厳しい医療現場の状況や、上手な医療のかかり方にも訴えていく必要があると考えている。
そのためにも、各地域の現状を熟知する会長先生方のお話を伺いながら、全会員の意見に耳を傾けて会務運営に臨むので、引き続きご理解ご協力をお願いしたい。