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府医ニュース
2025年5月21日 第3108号
大阪府医師会は3月8日午後、ATCエイジレスセンターと共催で、「第160回エイジレス健康講座」を同センター(大阪市住之江区)で開催。近隣住民ら約30人が参加した。
当日は、細井雅之理事が、「未来の糖尿病:ダイアベティス――光る君から80歳の壁まで」と題して講演。「ダイアベティス」とは糖尿病の世界共通語であり、「糖尿病患者へのスティグマ(偏見)をなくすための呼称だ」と述べた。日本では、成人の6人に1人が糖尿病患者、もしくは糖尿病予備軍だが、70歳以上では4人に1人となり、年齢とともに増えると説明した。
糖尿病には2種類あり、1型糖尿病はウイルス感染や免疫反応により急激に発症するのに対して、2型糖尿病は遺伝的要因に加え食べ過ぎや運動不足などの生活習慣も一因と指摘。治療方針として、▽食事療法▽薬物療法▽運動療法――の3つを挙げた。食事療法では制限食ではなく、「3食均等にバランス良く食べること」が大切と強調。食後すぐの睡眠も控えるようアドバイスした。治療薬については30~40年前は2種類のみだったが、現在では経口薬と注射薬の11種類に増加。医師と相談の上、自身に合った薬を選択してほしいと語った。また、「運動は、がんや脳卒中などの予防にもなる」と述べ、座位時間の短縮と家事などの日常生活の中で体を動かすことを呼びかけた。
そのほか、▽睡眠の重要性▽喫煙・飲酒の影響▽入浴効果――を詳説した。高血糖は長期間放置することで、血管を傷つけ糖尿病の慢性合併症を引き起こしやすくすると注意喚起。継続した通院が肝心とし、「主治医と最適な治療法を見つけてほしい」と訴えるとともに、「健康な人と変わらない寿命とQOL」が糖尿病治療の目標と結んだ。