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府医ニュース

2025年5月21日 第3108号

 マンガは単純に見える割には奥が深く、文化性を背景にした面白さがなければいけない。マンガなど描いたこともない私にとっては、手塚治虫になれるなど長年の夢だった。そこに登場したのが生成AIである。
 この分野ではAIを使う人口がまだ少ないのか、作品はとても稚拙ではあるが、高度な技術は一切なく、私のような素人でさえ食い込める余地がある。論理思考の計算に慣れているAIにとって、感性的な世界はかなり膨大な計算がいるのだろう、よく間違えるし、疲れ果てることが多い。しかし、このスピードは十分既存の感覚でついていける。したがって必然的に診療には使えない。患者離れは必至で、まだまだ医師の存在意義はありそうである。方法はとても簡単で、症例報告とか、仮想患者サマリーシートを見せて、患者に訴えるマンガを描いてもらう。スマホで写真を撮ってアップロードするだけ、そこに「こういうマンガを描いてくれ」と注文を入れても良い。マンガが出来上がるまで、必死になって計算しているAIに少し悪い気もするが、出来上がった作品には、誤字脱字も多いし、人物の顔が入れ替わったりする。この時褒めてあげるのが大事で、ムチばかり打つと非協力的になってくるから要注意。これを修正するのが私の実質的なマンガ作成になるが、いかに簡単なことか。
 多分論理思考では圧倒的な差を見せつけられた反動として、少し優越感を感じる世界を見つけたことに、自尊心がくすぐられたのかもしれない。(晴)