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医師・医療関係者のみなさまへ

「橋爪紳也氏医師協Times連載10周年」記念講演会

府医ニュース

2025年5月7日 第3107号

大阪・関西万博誘致からポスト万博に向けて

 大阪府医師協同組合は2月15日午後、同組合本部で、「橋爪紳也氏医師協Times連載10周年」記念講演会を開催し、同組合員ら約90人が来場した。建築史家である橋爪氏(大阪公立大学研究推進機構特別教授)は、同組合の機関誌「医師協Times」に人気コラム「大阪のなぞ」を連載中。当日は、同氏が大阪府・大阪市の特別顧問として誘致に尽力した大阪・関西万博の話を中心に、今後の大阪のまちづくりについて講演した。
 開会あいさつで小谷泰理事長は、日頃の組合活動への協力に謝意を表明。本日の講演を通じて、万博の魅力や見どころが伝わればと語った。
 橋爪氏は、「2025年から始まる未来――1970年大阪万博から大阪・関西万博へ」と題し登壇した。万博は「その時代の世界の様子が投影される」とし、1970年に開催された大阪万博では、米ソ冷戦下を象徴するような会場レイアウトだったと回顧。今回は、コンパクトな敷地内に作られた「大屋根リング」内に参加国のパビリオンが友好的に集い、近未来を提案する企業館がその周りを囲んでいると案内した。事前に各国のナショナルデーを調べて来場するといった、楽しむコツもアドバイスした。
 また、誘致活動においては、古くから根付く「三方よし」の文化を大阪のホスピタリティとして世界に発信することにしたが、どのように翻訳されるか興味深かったと語り、「Win-Win-Win Philosophy」との英語訳は非常に納得できたと明かした。
 橋爪氏は、万博開催にあたって集客数が話題に上がりがちだが、次期開催国にいかに良いバトンを渡すかを考えることも大切だと指摘。万博を契機としたアート事業や地域の活性化プロジェクトにも言及した。
 最後に、ポスト万博を見据えたベイエリアや主要幹線道路や駅などの開発計画を紹介。大阪を中心とした近畿東西の新しい拠点がもたらす未来の大阪の変容に期待を寄せた。