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医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2025年5月7日 第3107号
在阪5大学医師会および大阪府医師会、日本医師会が共催する令和6年度「医学生、研修医等をサポートするための会」が1月30日午後、大阪大学銀杏会館で開かれ、45人が参加した。今回は大阪大学医学部医師会が主務を担い、「Find your mentors! ――キャリアモデルを見つけよう!」をテーマに基調講演およびワールドカフェが実施された。
冒頭、野々村祝夫氏(大阪大学病院長)と渡部健二氏(同大学病院卒後教育開発センター長)、笠原幹司・府医理事があいさつ。笠原理事は、多様な医師の働き方の受け入れが重要と述べ、女性医師支援推進の視点で、実効性のある施策の立案・企画・推進に努めたいと力を込めた。
まず、武部貴則氏(同大学院医学系研究科・器官システム創生学教授)が、「万事塞翁が馬」と題してオンラインで講演。学生の頃から肝臓移植に興味があったものの、当時は医学部の研究対象が少なく、教授の助言もありアメリカで医師免許を取得したと振り返った。その後、科学雑誌『Nature』に論文が掲載され、現在のキャリアの礎を築いたと言及。「Invention(アート・発見等)」「Innovation(革命・デザイン等)」の重要性を語り、自由と自信を持てる環境で挑戦していくことで世界が広がると説いた。
続いて、大瀬尚子氏(同大学院呼吸器外科学講師)が登壇。医師としてスタートを切った当時の呼吸器外科は女性医師が少なかったと述懐した。一方で、「やりがいを感じ、専念することを決意した」と力説。また、女性外科医が主役の某ドラマで診療科の知名度が上がり、「女性医師増加に貢献いただいた」と笑いを誘った。大瀬氏は、上司のサポートも不可欠だが、「妊娠しても手術を継続、出産してもキャリアを維持させてくれる環境が大切」と自身の思いを伝えた。坂本陽子氏(同大学院循環器内科学特任講師)は、臨床・基礎研究に長期間携わり、5年には自治体や大学で「高齢者見守りプロジェクト」の社会実装を行った体験を説明。一つのことに固執せず「やりたいことを尊重して、まずは何事も経験すべき」との言葉を送った。北畠康司氏(同大学院小児科学教授)は、以前は仕事が最優先であったが、働き方改革が進展し自由な時間が増加したと指摘。自分にとって必要なものを見直し、今後の目指す方向を常に考え、決断・行動していくことに重きを置き、「優先順位を決めて守ることが肝要」と結んだ。
最後に、発表者、医学生、研修医によるワールドカフェを展開。和やかな雰囲気の中、活発な意見交換が行われ、土岐祐一郎・同医師会長のあいさつで閉会した。