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医師・医療関係者のみなさまへ

社会保険指導講習会

府医ニュース

2024年5月1日 第3071号

診療録への十分な記載の徹底を

 大阪府医師会は2月7日午後、大阪府保険医療機関講習事務委託事業の一環として、社会保険指導講習会を府医会館で開催した。今回は永濵要理事が「保険診療の理解のために」と題して、非会員を含む府内の全保険医療機関を対象に講演した。
 はじめに、保険診療における療養の給付や医療費の仕組みなどを説明。保険診療は保険者と保険医療機関との公法上の契約であり、ルールを熟知していることが前提だと語った。さらに、保険医療機関は6年ごとに保険指定の更新があると説示した。これまで大阪では指定更新時の集団指導は行われてこなかったが、令和5年度から「eラーニング」形式により実施されることになったと紹介。受講の上で保険診療の理解を深めてほしいと述べた。
 次いで、療養担当規則に言及。保険診療のルールとして、特定の保険薬局への誘導や特殊療法、健康診断の禁止等を詳説した。また、診療録の記載に関して、診療経過の記録であると同時に診療報酬請求の根拠であるとし、「事実に基づいて必要事項を十分に記載していなければ、不正請求の疑いを招くおそれがある」と注意を促した。そのほか、医科診療報酬点数表の解釈において、▽基本診療料▽検査・画像診断▽投薬・注射▽手術・先進医療――など項目ごとに要点を解説した。
 最後に、厚生労働省のホームページでは保険診療の質的向上および適正化を図るため、診療報酬請求の際に誤りやすく、個別指導において指摘が多い事項をまとめた「保険診療確認事項リスト」が公開されているとし、今後の適切な保険診療に役立ててほしいと述べた。また、診療報酬改定は原則2年に1回実施されるため、「知識のリニューアルが必要」だと締めくくった。