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医師・医療関係者のみなさまへ

第4回学校保健講習会

府医ニュース

2024年5月1日 第3071号

子どもの結膜炎など解説

 大阪府医師会学校医部会(部会長=中尾正俊・府医副会長)は2月9日午後、令和5年度第4回学校保健講習会を府医会館とウェブの併用で開催。学校医や養護教諭等の学校関係者ら約400人が受講した。
 冒頭、森口久子・同部会副部会長(府医理事)が開会あいさつ。新年度を迎えると学校健診が始まってくると述べ、本講習会が参考になればと期待を込めた。
 次いで、宮浦徹氏(同部会常任委員・眼科対策委員会委員長)が座長を務め、森本壮氏(大阪大学大学院医学系研究科視覚機能形成学寄附講座准教授)が、「子どもの結膜炎と学校保健――知っておくべき子どもの結膜炎」をテーマに講演。まず、学童期で特に多い流行性角結膜炎(はやり目)を説明した。「さらさらした目やにが出る」「涙が出る」「まぶしい」などの症状が現れ、結膜の浮腫や眼瞼または耳前リンパ節の腫脹を伴うことがあると紹介。原因のアデノウイルスに対する特効薬はなく、ステロイド剤や抗生剤の点眼を使用するとし、予防には手洗いや消毒を丁寧に行うことが大切と指摘した。そのほか、▽アレルギー性結膜炎▽細菌性結膜炎▽新生児結膜炎――などの症状や治療について詳説した。一方で、低年齢でのコンタクトレンズやオルソケラトロジーの使用増加に伴い角膜感染が増えていると述べ、適切な使用を促した。
 続いて、村上洋介氏(同部会心臓疾患対策委員会委員長)の座長により、津田悦子氏(国立循環器病センター小児循環器内科・医療安全管理室長)が、「川崎病の今と学校保健における対応」と題して登壇。まず川崎病について、原因不明の疾患で4歳以下に多いなどの特徴を示した。さらに主要症状として、①発熱②両側眼球結膜の充血③口唇の紅潮、苺舌、口腔咽頭粘膜のびまん性発赤④発疹⑤指先からの膜様落屑等の四肢末端の変化⑥非化膿性頸部リンパ節腫脹――を提示。すべての症状が出るわけではなく、診断が難しいケースがあると加えた。また、冠動脈瘤などの後遺症が残る場合があるとし、早期診断・早期治療が大切と訴えた。そのほか、学校生活管理指導表や川崎病急性期カード、学校での急変時の対応などを紹介した。