TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

新年のごあいさつ

大阪府医師会 副会長  澤  芳樹

府医ニュース

2024年1月3日 第3059号

大阪府医師会勤務医部会50周年のあゆみ
温故知新――誇るべき50年

 皆様、新年おめでとうございます。高井会長のもとで副会長と勤務医部会長をさせていただいております澤芳樹でございます。
 私は勤務医部会長を仰せつかり、大阪警察病院長として勤務医の立場、地域連携や人材育成、先進・高度医療など面で支える立場、勤務医の活躍を支援する立場から、学術活動や働き方改革、研修医専門医制度において貢献したいと思っています。
 昨年7月22日、府医勤務医部会設立50周年記念式典が挙行されました。その中で、まさに温故知新、誇るべき50年を回顧し、今後のあり方を考えました。
 当部会の歴史は、昭和28年、勤務医師の待遇改善を求めた「大阪市勤務医連絡会」(大阪市勤務医師会の前身)が始まりですが、当時、勤務医の全国医師会の設立や「大阪市勤務医師会」からの府医入会は認められず、組織化に失敗しました。
 しかし、国民皆保険制度の導入や医療危機を背景に、勤務医が開業医より多い東区医師会(現・大阪市中央区東医師会)の勤務医対策に関する「建言書」により、大阪市役所医師会からの入会が実現し、待遇が改善。39年には勤務医委員会が設置されましたが、部会設立は見送られました。
 そんな中、初代部会長となる橋本博先生が、山口正民執行部に入りました。当時の日本医師会長は「勤務医部会設立」と「開業医と勤務医による医師会活動の展開」に反対でしたが、山口会長は「大阪は大阪で勤務医部会を作る」と指示。48年2月の臨時代議員会で部会設立が決定。同年7月7日に府医勤務医部会設立総会が行われました。
 現在、当部会は、常任委員会や研修会、ブロック合同懇談会での病院間の意見交換や知識向上に加え、「在阪5大学・2行政医師会役員との懇談会」「府医役員との懇談会」での課題共有、「医学生と語る会」「ウェルカムパーティー」など若手医師への催しや、男女共同参画委員会と協働で「産休・育休中の代替医師確保システム」の試験運用も行っています。また、会員数は当初の2983人(府医会員の33・7%)から、令和4年3月時点で9379人(同56・0%)に増えましたが、さらに冊子や動画を工夫し、入会促進に努めたいと存じます。
 節目を迎え、勤務医部会設立に尽力された先輩方の大志に敬意を表すとともに、大阪から始まった誇りと意義を認識し、次世代にしっかりとつないでいく所存です。
 令和6年がよい年になると祈念し、そして少しでも皆様のお役に立てるように頑張りますので、なにとぞよろしくお願いいたします。