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時事

厚労省「医師の働き方改革」特設サイト開設

府医ニュース

2023年12月27日 第3058号

来年4月の実施を前に、一般の理解を求める

 12月1日、厚生労働省により「医師の働き方改革」に関する特設サイトが開設された(※1)。これまでは、制度全般や手続きについてのページ(※2)や、制度解説・取り組み事例を紹介するサイト「いきサポ(いきいき働く医療機関サポートWeb)」(※3)で情報発信がなされてきた。来年4月からの「働き方改革関連法」の医療機関に対する適用(診療に従事する勤務医への、時間外・休日労働時間の上限規制の適用)が目前に迫り、患者を含め関係者が一丸となって取り組んでいくことが大切として、一般へのアピールを指向したものとなっている。
 特設サイトでは20代の女性モデルをナビゲーターに起用、トップページには、動画やポスター等のダウンロード用サムネイルを含め、大小の彼女の顔が18カ所にちりばめられた作りになっている。また、解説用の漫画コンテンツや、同省の「上手な医療のかかり方」(※4)ウェブサイトも紹介している。ちなみにこちらのサイトでは、悪魔を名乗るアーティストが大使を務めている。
 さて、具体的に、患者や家族に理解や協力を求めていることは次のとおりである。
 【診療時間内の受診にご協力をお願いします】▽夜間や休日などの診療時間外での緊急性のない受診は「コンビニ受診」とも言われ、医師など医療機関で働くスタッフの負担を増やすことにつながり、医療の質の低下を招くものとして懸念されています▽患者さんやご家族への病状説明を診療時間内に実施することや、外来診療の受付時間を短縮するといった取り組みも始まっています。日頃から決められた診療時間内での受診にご協力ください。特に、病状、検査、手術の説明を受けるといった場合は一層のご協力をお願いします▽「大きな医療機関の方が安心だから」といった理由で、軽症の患者さんが大きな医療機関(病院等)に集中すると、そこで勤務する医師やスタッフの負担を増やすことにもつながります。まずは、健康のことを何でも相談でき、身近で頼りになる医師を持つようにしましょう。
 【〝いつもの先生〟以外の医療スタッフの対応にご理解をお願いします】▽タスク・シフト/シェア…患者さんへの疾患の説明、検査、病棟における服薬指導、医師の指示に基づく治療対応や術後の管理などについて、医師以外の様々な医療スタッフが担うことがあります▽複数主治医制…医師がチームを組み1人の患者さんに対応する取り組みも始まっています。この場合、例えば、担当する患者さんへの対応を複数の主治医が時間帯によって分担することがあります。
 従来の(古典的な)医療や医師に対するイメージ・価値観とは異なる部分もある。これらの形が浸透したときには、医師患者関係も様変わりしているかもしれない。(学)

※1 https://iryou-ishi-hatarakikata.mhlw.go.jp
※2 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/ishi-hatarakikata_34355.html
※3 https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp
※4 https://kakarikata.mhlw.go.jp